はじめに
著者紹介
第1章 日本の医療制度の光と影──事故誘発的制度環境
▶§1 国民皆保険と医療へのアクセス
▷ 1 問題はどこに
▷ 2 国民皆保険と医療費の自己負担
▷ 3 国民皆保険と医療へのアクセス
▶§2 世界と比較した日本の医療供給体制
▷ 1 医療費支出のランキング──支出総額は大きいが個人負担は小さい
▷ 2 病院数・病床数──世界で最も病院が多く,病床も多い
▷ 3 在院日数
▷ 4 外来受診回数
▶§3 海外の医療供給体制──アメリカとイギリス
▷ 1 アメリカの医療
▷ 2 イギリスの医療
▶§4 医療者の労働環境と医療体制──医療のトリレンマ
▷ 1 少ない医師数
▷ 2 看護師数と多重業務
▷ 3 医師の過酷な勤務環境と医療事故
▷ 4 医療のトリレンマ
第2章 医療事故当事者と社会的制裁
▶§1 民事責任
▷ 1 民事裁判の目的
▷ 2 民事法廷の現実
▷ 3 医療事故民事訴訟の現況
▶§2 処罰と再発防止
▷ 1 アメリカでの経験から
▷ 2 航空機事故への対処──世界標準の考え方
▷ 3 刑事処罰と再発防止
▶§3 医療事故と刑事裁判
▷ 1 社会的事象としての医療事故
▷ 2 刑事法の思考枠組み
▷ 3 刑事司法の実際──医療事故当事者に何が起こるか
▷ 4 医療事故における刑事判決の動向
▶§4 医師法21条解釈問題と医療事故調査制度の成立
▷ 1 医師法21条と刑事立件
▷ 2 都立広尾病院事件最高裁判決
▷ 3 大野病院事件の衝撃
▷ 4 医療界の反応と医療崩壊
▷ 5 流れの変化──厚労省の転換
▷ 6 医療事故調査制度設立への道
▷ 7 WHOドラフト・ガイドラインの理念
▷ 8 医療事故調査制度の手続
▶§5 まとめ
第3章 医療事故当事者の痛みと回復の過程
▶§1 医療事故当事者の内的苦悩
▷ 1 事故直後の混乱から自罰へ
▷ 2 原因帰属理論
▷ 3 自責の念と孤立
▶§2 患者側家族の心理との相似性
▶§3 医療者の文化と自己効力感の喪失
▶§4 当事者を超えた苦悩の連鎖
▶§5 苦悩と回復への過程について
▷ 1 スコットらの研究
▷ 2 回復の過程をどう評価するか
▶§6 まとめ
第4章 ピアサポートとは何か
▶§1 Second Victim(第2の被害者)論の陥穽
▷ 1 第2の被害者という気づきと内包された問題
▷ 2 第2の受傷者へ
▶§2 ピアサポートについての誤解──新たな1つのピースとしてのピアサポート
▶§3 役割サポート
▷ 1 産業医・精神科医・臨床心理士などの専門家の場合
▷ 2 医療安全管理者の場合
▷ 3 医療メディエーターの場合
▷ 4 管理者・上司
▶§4 現場サポート
▷ 1 現場全体の心理的不安
▷ 2 日常の関係性がよくない場合
▷ 3 日常の関係性が良い場合
▷ 4 まとめ
▶§5 ピアサポート
▷ 1 ピアサポートとは何か
▷ 2 ケアとしてのピアサポート──メイヤロフの『ケアの本質』から
第5章 院内ピアサポートのシステムとピアサポートの実践
▶§1 アメリカにおけるピアサポート概念の発展と現況
▶§2 ピアサポートのシステム導入──ジョンズ・ホプキンス大学病院RISEプログラムを参考に
▷ 1 ピアサポート体制の準備
▷ 2 ピアサポートの院内への周知
▷ 3 事故発生からマッチングまで
▶§3 ピアサポーターによるコンタクトと実践──言葉でなく想いに寄り添う
▷ 1 話をさせるのではなく話を聴く
▷ 2 言葉を肯定的に受け止めるのでなく,苦しみと想いに寄り添う
▷ 3 ピアサポーターの姿勢と「してはいけないこと」
▷ 4 ピアサポートの対象は?
▷ 5 面談の終了
▷ 6 ピアサポートの成否
▷ 7 ピアサポーターのサポート
▶§4 多様なピアサポート導入例
▷ 1 アメリカの導入例
▷ 2 日本の導入例──埼玉医科大学関連病院
▷ 3 ピアサポートの漸次的導入の戦略
第6章 第三者機関ピアサポート
▶§1 アメリカの第三者組織ピアサポート──MITTS
▶§2 日本の第三者ピアサポート機関──日本医療ピアサポート協会Heals
▷ 1 設立の経緯
▷ 2 Healsの活動──電話によるピアサポート
▷ 3 院内ピアサポートシステムの導入支援
▷ 4 ピアサポーター養成研修
▷ 5 ピアサポート研究会
▶§3 Healsの活動経験から見えてきたこと
▷ 1 第三の受傷者の存在とケアの必要性
▷ 2 謝罪することの意義
▶§4 新たな第三者ピアサポート組織の可能性
▶§5 まとめ
参考文献
あとがき 155