精神分析を起源として独自の発展を遂げる,しかしこれまで決して名づけられることのなかった「ありふれた臨床」精神分析的サポーティブセラピー(Psychoanalysis Originated Supportive Therapy : POST)。「POST」とはどのような理論的基盤をもち,臨床フィールドにおいていかに実践されているのか,2つの事例とその逐次的解説を通じて「POST」の魅力と実践可能性を紹介する。
第1の事例では,「初期混乱した出会いとPOSTのアセスメント」「中期主治医との連携,環境のマネジメント,心理教育的アプローチ」「後期頻度の変更,そして終結へ」を,第2の事例では,初期精神分析的セラピー? POST?」「中期転移の理解とPOSTの使用法」「後期POSTから精神分析的セラピーへの移行」を,クライエントとセラピストのスクリプト,セラピストの自己内対話,セラピーの概要を記述したレポートからなる立体的な構成で紹介する。
続く「解説編」では2つの事例を踏まえて数々の実践上の問いを探究するアセスメント面接において何を考えるべきか? POSTはどのようなケースに向いているのか? POSTの中期はどう展開するのか? 介入において何を工夫すべきか? POSTの終盤をいかにガイドすべきか POST終結と精神分析的セラピーへの移行をどう判断すべきか?
POSTという実践の鳥観図となる「POSTの精霊「東京」で出会った心理士たち」(東畑開人)を付した,精神分析的サポーティブセラピー(POST)を今ある臨床実践に接ぎ木して根づかせていくための「はじめてのPOST実践ガイド」。