第一部 ガリバーの足跡 滅びるか鉄鋼王国ニッポン7
黄金の日々11
石をもて追わるるごとく26
鉱山の友子同盟53
もうひとつの戦争76
鉄と魚91
大形工場の終焉108
黄昏の街で126
そして七年後、釜石の不安142
河出文庫版あとがき153
資料 河出文庫版解説 童顔の秘密 佐木隆三154
第二部 死に絶えた風景157
プロローグ159
〝透明度ゼロ〟の死/裁かれるもの
第一章 絶望の部屋──労働下宿の記録167
労働下宿の夜/高炉掃除人/本工=カミサマ 下請=ニンゲン/
労働下宿脱出のあとで/暴力支配の系譜/〝門前雇用〟の労働下宿/
納屋制度と労働下宿/ある証言
第二章 鉄の流れ──釜石から八幡へ201
栄光の製鉄所──釜石/離合集散の歴史/八幡村のゴールドラッシュ/
ゴールドラッシュの末路/ある漁師の記憶/奪われた漁場/
吉田磯吉の実力/ナグサメとワイヤカケ
第三章 せめぎ合う波──鉄鋼労働者の闘い220
人夫供給業の歴史/溶鉱炉の火は消えたり/釜石での決起/
「赤トンボ」の歌/八幡製鉄所の労働構造/三島光産事件
第四章 黒い紐帯──八幡と筑豊241
遠賀川の流れ/焼け焦げた時計/マイクロバスの道のり/
燃え尽きたピット/筑豊の〝最大産業〟/坑夫たちのいま/
人間スクラップ/夢のシームレス/ある閉山
第五章 洞海湾のほとりで272
壊滅する住宅地/あらたなる拡大/追われる漁民たち/
君津へ──労働者の大移動/企業城下町の崩壊
エピローグ285
「高炉公園」に立つ/洞海湾の深い眠り/Nさんからの手紙
単行本あとがき295
講談社文庫版あとがき297
現代教養文庫版あとがき298
あとがき 日本の鉄鋼産業とトランプ政権 鎌田慧299