序にかえて──本の成り立ち、共同研究の開催記録
(リュッターマン・マルクス 日文研名誉教授)
Ⅰ 硏究の歴史と展望
1 書の遣り取りをめぐる史的研究の意義
──古文書論をメディア論に位置付ける観点から
(リュッターマン・マルクス)
2 西欧文書学の現代的展開と「アーカイブズ論的転回」
(岡崎 敦 九州大学名誉教授)
Ⅱ 様式の普及と実現
1 日本の文書様式における印の問題をめぐって
──公印・私印の近代への展開(小島道裕 元歴博教授)
2 鎌倉幕府をめぐる闕字(けつじ)の出現と転回
(高橋一樹 明治大学教授)
3 中世渡来僧の手紙──蘭溪道隆の宋式書状と和風書状
(榎本 渉 日文研教授)
Ⅲ 伝存と活用
1 安都雄足にまつわる日本古代の特異な私信群から
──現代に伝わるはずのない「石山紙背文書」をめぐって
(小口雅史 法政大学教授)
2 正倉院佐波理加盤付属文書の機能と伝来
──内容の解釈を踏まえて(金 泰虎 甲南大学教授)
3 日本中世の領主と在地社会の文書授受
──戦国期公家荘園領主の在荘直務日記『政基公旅引付』
(廣田浩治 静岡歴史博物館学芸課長)
4 デジタル漢籍の誕生
──紙から画面へ
(ウィッテルン・クリスティアン 京都大学教授)
Ⅳ 心情と身体
1 中世の声の画像化素描
──「かのように」声を描く歴史をめぐって
(荒木 浩 日文研教授)
2 言語の中の身体
──理論と実践と経験に現れる身体の歴史的・文化的多様性
(梶谷真司 東京大学教授)
3 書簡故実に現れた心情表現史
──恐怖を中心に(リュッターマン・マルクス)
索引