われわれは何処から来て、何処へ向かうのか?
「日本人」とはなにか。約20万年前にアフリカ大陸に誕生した「ホモ・サピエンス(現生人類)」が、いわば「太陽信仰」にしたがい、東へと進み、ついに日本列島へ上陸。やがて、その子孫である縄文人が、様々な理由から世界各地へ離散。その血を引く人々が太陽信仰にしたがい、やはり東へ向かい、もともと住んでいた日本に帰還し、その後、縄文人と同化することとなった。離散と帰還の間で、最終的に日本列島へ来た人々は約1万年という時間をかけて移動していると推測されるが、そこには東へと向かう、その根幹に「太陽信仰」がある、と想定できる。それは人類がアフリカに生まれ暮らしたときからあった「精神性」なのである。東から太陽がのぼり、西に沈んでゆく。その繰り返しのなかに「太陽信仰」が生まれたのではないか。古代史は「ロマン」であるとよく言われるが、単に夢や理想ばかりを追いかけるに留まらず、本書は、想定しえる事実を科学的に検証を行い、エビデンスをふまえて記述し、より真に近い縄文時代の日本の姿を浮かび上がらせようとする試みである。