• 発売日:2025/07/26
  • 出版社:北樹出版
  • ISBN:9784779307867

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日本の仏教を読み直す 空海・道元・親鸞

日本の仏教を読み直す 空海・道元・親鸞

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商品説明
現在の日本では「仏教の教義」とか「〇〇宗の教義」ということがいわれますが、宗教=教義に従うものというのは西洋の一神教をモデルとした宗教の捉え方で、仏教は本来、教義に従う教えではありませんでした。インドでは、仏教は医学的な発想の教えとみなされ、症状にあった薬を処方するようにその人に合わせて教えを説いたと言われています(対機説法)。日本と同様密教の盛んなチベットの仏教が世界の関心を持たれている今、インドやチベットに残る伝統的な仏教理解や学習法を踏まえて、日本の高僧の教えを読み直し、高僧がたが何を説こうとしたかについて光を当てる試みです。
目次
はじめに
     近代的仏教理解の問題点/チベットの伝統と日本の伝統/世界で関心を集めているチベットの伝統/仏教のわかりにくさとその理由/教えの言葉は「月をさす指」

一章 インドにおける仏教の誕生と展開
  1 仏教誕生の背景
  2 釈尊がさとりに至るまで
  3 最初の教え――四つの真理(四聖諦)と実践法としての八正道
  4 さまざまな弟子への教え
     六群比丘/キサー・ゴータミー/チューラパンタカ(周利槃特)/アリッタ/パスーラ/カッチャーヤナ(迦旃延)
  5 インドにおける仏教の展開――南伝と北伝、ナーガールジュナ(龍樹)の仏教理解
     阿含経典の編纂、部派の誕生、大乗経典の出現/『中論』の難解さ/『中論』を読み解く/ナーガールジュナ出現の「予言」の言葉(『楞伽経』)
  6 伝統仏教の理解と実践の方法
     理解の方法――聞・思・修/実践法――戒・定・慧/修行の階梯――五道と十地 
  7 インド・チベットの教え
     チベットの『般若心経』/ナーガールジュナ『宝行王正論』/アティシャ『菩提道燈論』/シャーンティデーヴァ『入菩薩行論』と心の訓練(ロジョン)/『チベットの死者の書』

二章 空海と密教
  1 空海(七七四~八三五)の生涯と教え
  2 密教と顕教
  3 密教の系譜
  4 十住心――伝統仏教の全体像
     第一住心~第三住心/第四住心~第七住心
     第八住心・第九住心/第十住心
  5 菩薩の願い

三章 道元と坐禅
  1 道元(一二〇〇~一二五三)の生涯と教え
  2 坐禅とその系譜
  3 道元の仏教観を大きく変えた二人との出会い
     料理係の老僧(老典座)/天童如浄
  4 『弁道話』――中国で学び得たことの紹介
  5 言葉と言葉を超えるもの
     舟と岸のたとえ(「現成公案」巻)/さとってみるまでわからないのが仏教(「唯仏与仏」巻) 教外別伝と言葉による教えの関係(『弁道話』・「仏教」巻)「道得」(「道得」巻・「葛藤」巻)/「嗣法」とは(「嗣書」巻)/「心不可得」(「心不可得」巻)
  6 晩年の十二巻本『正法眼蔵』
     第一 出家功徳/第二 受戒/第三 袈裟功徳/第四 発菩提心/第五 供養諸仏/第六 帰依仏法僧/第七 深信因果/第八 三時業/第九 四馬/第十 四禅比丘/第十一 一百八法明門/第十二 八大人覚/
     十二巻本に込めた道元の思い

四章 親鸞と浄土信仰
  1 親鸞(一一七三~一二六三)の生涯と教え
  2 近代化と『歎異抄』ブーム
  3 「他力本願ではダメ」はダメ?――伝統仏教における浄土の位置づけ
     往生のむつかしさ――源信の場合/往生のむつかしさ――親鸞の場合
  4 他力の信のむつかしさ
  5 どのようにして他力の信が得られるか――「悪人」であることの自覚
  6 『教行信証』の構造――真実(智慧)と方便
  7 ナーガールジュナ(龍樹)の仏教理解と親鸞
  8 妙好人―阿弥陀仏の救いを実感した人たち
     因幡の源左/讃岐の庄松/現在も現われる妙好人――鈴木章子『癌告知のあとで』

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