人口減少が進む日本国内の市場の縮小は、食品産業が直面せざるを得ない現実です。また食をめぐる環境は、温暖化による気候変動での第一次産品収量の不安定化や高騰など、これまでにない対応を考慮せざるを得ない状況になっています。
本書は、こうした食をめぐる大きな環境変化に対応しながら、これまでにない新しい発想で、未来創造型食品開発のシーズを探った、マーケティングや食品開発のインタビュー集です。本書では、目を引く新商品開発を紹介することで、一つ違った発想のヒントになればという思いと、その開発のプロセスを見ることで、新しいものを生みだす組織的な手法にも目を向けていただけるよう期待しているところです。
本書は6章で構成されており、特に1章~4章は未来創造に向けた最も特徴のある、相応しい企業事例を厳選して食品関連企業のインタビューをまとめたものです。第1章では「新素材の食品開発」、第2章では「新代替素材の食品開発」、第3章では「新生産方式の食品開発」、第4章では「新用途・海外展開に向けた食品開発」の事例です。
食品開発は、食品会社にとっては至上命題といってもよいものです。美味しく、楽しく、健康的で、かつ共感を呼ぶ、新しい食品の登場に、本書がわずかでも貢献出来たら望外の喜びです。