本書は、高等専門学校および大学で開講されている「量子論」の講義用テキストとして執筆された。
内容としては、多体問題や相対論的量子力学を除いた標準的なものとした。初学者や再度学習しようとする独学者のために、細かな計算もできるだけ省かずに解説するなど、読みやすいものとなるように心がけた。また、導入部分の第1章に前期量子論を詳解することで、なぜ量子論が必要になったかが理解できるように工夫した。
本書の構成として、量子論の考え方を理解するだけならば、第8章までで学習を終えても十分であるが、後々興味を持たれる方のために、第9章以降では角運動量やスピン、および摂動論といった初学者には難解な内容も入れた。
さらに、本文を読む上で必要になる内容や、量子論と直接関係はしているがややレベルの高い内容を付録として載せることで、読者の理解を深めることに努めた。