• 発売日:2025/12/02
  • 出版社:草思社
  • ISBN:9784794228093

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廃墟のヨーロッパ

廃墟のヨーロッパ

通常価格 2,860 円(税込)
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商品説明
ヨーロッパ中に散らばる「廃墟」は、私たちに何を問いかけているのか?
さまざまな難問に直面するヨーロッパ各地を丹念に取材し、
〈崩壊の現場〉からこの世界の現在と未来を考察するルポルタージュ。

《破滅の後には再生がある。湿潤な気候の日本では木造家屋が朽ち果てて自然に戻り、
その上に新たな社会が上書きされるのに対し、広大で乾いた欧州の大地では、
石造りの建物が廃虚となって存在感を示し続ける。
その痕跡を日々目にし、そこから教訓を学びつつ、人々はその隣に新たな社会を建設する。
欧州の廃虚をめぐる本書は、したがって破壊の過程をたどるとともに、そこに潜む再生への道筋を探る旅ともなるだろう。》
(本書「はじめに」より)

<内容より>
▼チェルノブイリ原発事故で無人となった街
▼戦前大いに栄え、戦後は朽ち果てたピレネー山中の乗換駅
▼頓挫した南イタリアの産業振興策の残骸
▼EU離脱を多くの住民が支持した英国のラストベルト
▼内戦や虐殺の歴史を経て分断が定着した街
▼極端な人口減少によって衰退へむかう国家
▼ホロコーストの記憶を発信しつづけている収容所跡地
……
目次
はじめに 

第1章 よみがえるソ連――プリピャチ 
■「ウクライナでもっとも快適な道路になりました」 
■再現されたソ連の生活風景 
■想像力を呼び戻す仕掛け 
■「一時的に、三日間だけ避難せよ」
■帰還者の行方

第2章 足元に潜む核戦争――ロンドン 
■米ソの「ホットライン」も経由
■核シェルターは政府関係者専用 
■戦略の要として復権しつつある核兵器 

第3章 分断された世界――ボスニア・ヘルツェゴビナ 
■「互いに撃ち合った過去」の呪縛 
■「首都で私はトイレに行かない」 
■利権を差配する「お山の大将」 
■狭い行政区に大臣が十五人 
■聖火台のマクドナルド 
■「EUのレベルに達するには百年かかる」 

第4章 名君だった「暴君ネロ」――ローマ、ポンペイ 
■ポピュリスト政治家としての皇帝ネロ 
■ポンペイ落書きが語る意外な人物像 
■フェイクニュースが歴史になるとき 
■タイムカプセルとしてのポンペイ遺跡 
■歴史は発見とナラティブのせめぎ合いでつくられる

第5章 人影が消えた浜辺――キプロス 
■閉ざされた「地中海の宝石」 
■「住民の間には、もはや何の対立もありません」 
■三種類の旅券を保有する住民たち 
■キプロス問題を左右するエルドアンの思惑 
■三つのシナリオ
■トルコによる北キプロス併合という悪夢 

第6章 峠を越えた金塊――ピレネー山脈・カンフラン国際駅 
■ナチスの金塊が運び込まれた国境の駅 
■線路上に散らばっていた古い書類 
■中立国スペインの複雑な立場 
■金塊の用途と行き先 
■古びた窓枠から歴史を振り返る 

第7章 地中海の中心で、地図を描く――南イタリア・カラブリア 
■頓挫した開発とマフィア、発がん性物質 
■人口二百万人の州に四百万人分の住宅 
■辺境が地中海の中心になる日

第8章 アウシュヴィッツの東を見よ――ソビブル、トレブリンカ、ベウジェツ 
■ソ連によって整えられた虐殺の条件 
■ホロコーストを物質的な面から分析する 
■なぜアウシュヴィッツが象徴となったのか
■ソビブルの名札 
■有刺鉄線を越えて 
■立ち尽くす一万七千の石 
■「青い壁」の秘密 
■演出はどこまで必要か 
■政治によって封印された記憶 
■絶滅収容所映画が意図するもの 

第9章 虹の彼方に消えた「移民」――ウェスト・ヨークシャー 
■半世紀にわたる衰退の歴史 
■なぜアジア系住民はEU離脱に賛同したのか 
■スケープゴートにされた「ポーランド移民」 
■「レフト・ビハインド」の虚実 
■「ブレグジット」から「ブレグレット」へ 

第10章 かつてこの国に王がいた――ソフィア 
■国王から亡命者、そして首相に 
■廃屋がブルガリアの共通の風景 
■若者が夏休みにだけ帰ってくる国 
■新興大国の草刈り場 
■ガラパゴス化するEUの政治モデル 
■ポピュリストが語る「心温まる社会」 
■「世界の終わり」と「月末までの生活」 
■EUの存在意義はどこにあるのか 

第11章 ボタ山が育んだ政治勢力――ノール・パドカレー炭田 
■平屋の美術館「ルーブル分館」 
■多様な人々によって育まれた豊かさ 
■マリーヌ・ルペンの拠点となったボタ山の街 
■「欲しいのは、援助やカネじゃない」 
■利用される「不平等感」と「承認欲求」 
■「トランプなんて、まだましだった」 

第12章 ナンバープレートの上の「国家」――コソボ・ミトロヴィツァ 
■国境でのばかげた「義務」 
■政府によって煽られる住民対立 
■コソボ政府の行政能力にも不信感 
■「プーチンは嘘つきの常習犯です」 
■セルビアとコソボに共通する自己認識 

第13章 共産主義の亡霊が徘徊する――ブダペスト 
■「恐怖の館」の政治性 
■目指すのは「非リベラルな社会」 
■「外国をコピーするだけではだめだ」 
■イデオロギーからアイデンティティーへ
■「オルバンの手法はスズキの工場と同じ」 
■「三十年前とあまり変わっていない」 
■富裕層と貧困層の結託 
■「総統民主主義」が審判を受ける日 

第14章 壁なき大平原の幻想――ベルリン 
■消滅したはずの「壁」が再び立ちふさがる 
■「欧州の病人」から「一人勝ち」へ 
■「接近による変化」の理想と現実 
■メルケル政権の「功」と「罪」 
■「相互依存は安定には結びつかなかった」 

破壊と再生――結びにかえて 
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