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法哲学という企て

法哲学という企て

瀧川 裕英 (編集)
大屋 雄裕 (編集)
郭 舜 (編集)
安藤 馨 (編集)
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商品説明
◆井上達夫は法哲学において何を企てたのか。後に続くを信じ、学問の饗宴を祝す◆
井上達夫は法哲学において何を企てたのか。対立軸ではない独自の座標軸から、独立独歩の法哲学をいまだ進む。いずれの日か後に続くを信じ、真摯な応答をもって、同志とともに学問の饗宴を祝す。
【企て人】瀧川、安藤、高橋、郭、森村、橋本、亀本、若松、米村、長谷川、森、吉永、神江、松原、飯尾、濱、平井、石山、浦山、池田、大江、松田、駒村、山田 +【特別寄稿】井上。
目次
『法哲学という企て ― 井上達夫先生古稀記念』

  瀧川裕英・大屋雄裕・郭 舜・安藤 馨 編

【目 次】

・はしがき

◆Ⅰ 正義という企て◆

◆1 正義と愛〔瀧川裕英〕

 Ⅰ 正義の概念
 Ⅱ 等しきものは等しく
 Ⅲ 正義と愛
 Ⅳ 各人にその人のものを

◆2 愛と正義と反転と―普遍化可能性についての断章〔安藤 馨〕

 Ⅰ 予備的考察
 Ⅱ R. M. Hareと普遍化可能性
 Ⅲ 井上達夫と普遍化可能性

◆3 ディケーはエゴを論駁できるか?―独我論的エゴイストの独り言〔高橋文彦〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 『共生の作法』におけるエゴイズム批判
 Ⅲ 倉田百三『愛と認識との出発』と西田幾多郎『善の研究』
 Ⅳ 永井哲学における〈私〉と「私」
 Ⅴ 西田哲学における主観と客観
 Ⅵ 内山興正老師の「自己の公式」
 Ⅶ おわりに

◆4 反転可能性と実行可能性〔郭 舜〕

 Ⅰ 反転可能性とは何か
 Ⅱ 脱文脈化戦略
 Ⅲ 反転可能性と実行可能性
 Ⅳ 反転可能性の射程

◆5 正義論の主題は「社会の基礎構造」か?〔森村 進〕

 Ⅰ この論文の目的と構成
 Ⅱ ロールズ正義論の対象
 Ⅲ 契約主義と「社会の基礎構造」
 Ⅳ 自然権論的リバタリアニズムとの対照
 Ⅴ なぜ「社会の基礎構造」か?
 Ⅵ 「社会の基礎構造」アプローチへの批判(1)―ハイエクと「社会主義の幻想」
 Ⅶ 「社会の基礎構造」アプローチへの批判(2)―センと「先験的制度尊重主義」
 Ⅷ 「社会の基礎構造」アプローチへの批判(3)―コーエンと「友愛のエートス」
 Ⅸ 政治的正義観念一般の批判
 Ⅹ 反省的均衡についての蛇足
 Ⅺ 具体的状況と理想理論
 Ⅻ「政治的正義」は実際重要だが,正義論の第一の主題ではない

◆Ⅱ 正義への企て◆

◆6 リベラリズムと自由主義―正義の基底と自由の根源 Two kinds of liberalism: justice-based and freedom-based〔橋本 努〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 批判的合理主義の二つの相
 Ⅲ おわりに

◆7 機会の公正な平等〔亀本 洋〕

 Ⅰ 機会の公正な平等への低い注目
 Ⅱ 初期の定式化
 Ⅲ 『正義論』ないし『再説』における定式化
 Ⅳ 格差原理との関係
 Ⅴ 財産所有民主制における機会の公正な平等と格差原理の関係
 Ⅵ 機会の公正な平等が完全に実現されたらどうなるか

◆8 見えざる足を可視化する―逞しくないリベラリズムのために〔若松良樹〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 構造的不正義
 Ⅲ ギャンブラーの破産問題
 Ⅳ モデルの功罪

◆9 タバコ吸ってもいいですけど,警告表示はつけていていいですか?―井上リベラリズムにおけるパターナリズムの位置〔米村幸太郎〕

 Ⅰ 試金石としてのパターナリズム
 Ⅱ 表出されるメッセージが問題なのか?
 Ⅲ 井上はどのような反パターナリストか
 Ⅳ 警告表示はつけていていいですか?
 Ⅴ 結  語

◆Ⅲ 制度への企て◆

◆10 則法性・法パラダイム・法伝統―一つの解釈学的スケッチ〔長谷川晃〕

 Ⅰ はじめに―問題連関
 Ⅱ 則法性の諸相
 Ⅲ 法パラダイムの性質
 Ⅳ 法伝統の構制
 Ⅴ おわりに―一つの展望

◆11 徴兵制擁護論の批判的検討〔森悠一郎〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 徴兵制擁護論の概要
 Ⅲ 徴兵制擁護論の成否
 Ⅳ 井上の憲法改正案の概要
 Ⅴ 井上の憲法改正案の検討
 Ⅵ おわりに

◆12 ケルゼンの民主制と「憲法の番人」論〔吉永 圭〕

 Ⅰ 憲法裁判所と少数派保護
 Ⅱ シュミット「中立的権力」論への批判
 Ⅲ 憲法裁判所の「政治性」
 Ⅳ 「憲法の番人」としてのライヒ大統領への批判
 Ⅴ 憲法裁判所の民主的性格
 Ⅵ ケルゼンの民主制と憲法裁判
 Ⅶ 終わりに

◆13 EUの金融・財政政策と「連帯」〔神江沙蘭〕

 Ⅰ EUが直面する不安と統合への視点
 Ⅱ ユーロ圏の金融・財政政策とユーロ危機
 Ⅲ 危機下の財政支援と「連帯」
 Ⅳ EU・ユーロの経済ガバナンスへの規範的視座

◆14 刑事立法と刑事立法学の現状と課題〔松原芳博〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 刑事立法学の対象と方法
 Ⅲ 刑事立法の現状
 Ⅳ 規範的刑事立法学における立法評価の観点・準拠点
 Ⅴ おわりに

◆15 政策の概念について考える〔飯尾 潤〕

 Ⅰ 政策イメージの貧困
 Ⅱ 政策の多様性
 Ⅲ 既存の政策の定義
 Ⅳ 目的から見た政治と政策
 Ⅴ 問題解決の営みとしての政治
 Ⅵ 政策の新たな定義と意義

◆Ⅳ 境界線をめぐる企て◆

◆16 法実証主義における「分離テーゼ」の再検討―「法と道徳には必然的な結びつきがあるか」という問いをめぐって〔濱真一郎〕

 Ⅰ 法と道徳の「分離」と「結びつき」
 Ⅱ 法実証主義における「分離テーゼ」
 Ⅲ 「法と道徳の必然的な結びつき」について
 Ⅳ 「法と道徳には必然的な結びつきがあるか」という問い
 Ⅴ 問いに対する法実証主義の側からの疑念
 Ⅵ 問いに対する自然法論の側からの疑念
 Ⅶ 法と道徳の「分離」と「結びつき」が織りなす複数の陰影

◆17 規範的法概念論に関する考察〔平井光貴〕

 Ⅰ 序
 Ⅱ 規範的法概念論についての整理
 Ⅲ 「概念規定」についての整理
 Ⅳ 井上法概念論の2つの問題
 Ⅴ 結  語

◆18 多文化主義と社会統合―「失敗」言説から受け取るべき理論的課題〔石山文彦〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 多文化主義は何に「失敗」したとされるのか
 Ⅲ 「失敗」言説と多文化主義論争―両者は接合できるか
 Ⅳ 「失敗」言説の含意―統合をめぐる論議の課題は何か
 Ⅴ 結  語

◆19 先住権の規範的根拠とその含意〔浦山聖子〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 問題の設定―先住民族と先住権
 Ⅲ ウォルドロンの懐疑
 Ⅳ 自決の回復
 Ⅴ おわりに

◆20 性別・社会・法:フェミニズムとクィア法理論のためのノート〔池田弘乃〕

 Ⅰ 性を数える
 Ⅱ ブルーボーイ事件から性同一性障害特例法へ
 Ⅲ 特例法違憲決定をめぐって
 Ⅳ 宿題にとりかかる

◆Ⅴ まだ見ぬものへの企て◆

◆21 出生・生殖の正当化原理について〔大江 洋〕

 Ⅰ なぜ出生・生殖問題なのか
 Ⅱ 出生・生殖(全面)肯定の根拠論
 Ⅲ 出生・生殖(全面)制約・否定の根拠論
 Ⅳ 出生・生殖正当化原理論
 Ⅴ おわりに―残された課題

◆22 子どもの権利と愛について〔松田和樹〕

 Ⅰ 本論文の目的と概要
 Ⅱ 愛される権利・愛する義務を擁護するリャオの議論
 Ⅲ 愛は義務になり得るか
 Ⅳ 子どもの権利と愛の距離
 Ⅴ 親の感情をめぐる親と国家の役割
 Ⅵ 愛という問いを生きる

◆23 AI裁判官の良心?―AI時代の「法の支配」再論〔駒村圭吾〕

 Ⅰ AI模擬裁判―JudgeOS-ver1.0による概念実証
 Ⅱ 「『法の支配』vs『AIの支配』」再訪
 Ⅲ AI裁判官の憲法論―AI裁判官と「裁判官の良心」
 Ⅳ 「AI裁判官の良心」は可能か?

◆24 司法における生成AIと法的推論―説明可能AI(XAI)の役割と限界〔山田八千子〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 生成AIによる司法と正統性
 Ⅲ AIアルゴリズムと法的三段論法
 Ⅳ XAI(説明可能AI)と解釈可能AI
 Ⅴ 司法における専門家の役割とAI
 Ⅵ 結びにかえて

◆特別寄稿◆

◆私は何を企てたのか―批判者たちへの応答〔井上達夫〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 正義,エゴイズム,そして愛のためのフーガ〈主題提示部〉―安藤馨に応えて
 Ⅲ 正義,エゴイズム,そして愛のためのフーガ〈追迫部〉―高橋文彦,瀧川裕英,郭舜に応えて
 Ⅳ リベラリズムはいかに再編さるべきか―橋本努と米村幸太郎に応えて
 Ⅴ 立憲主義の法概念論的基礎と実践的含意―平井光貴と森悠一郎に応えて

・井上達夫教授 経歴
・井上達夫教授 業績
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