序
1 今や我国にも「第三帝国」の声は高い
2 未開拓領域
3 見取り図
第一章 ネオ・ヨアキム主義
1 フィオーレのヨアキム
2 始原と終末の枠構造
3 ヨアキム受容
4 「第三」と「国」
補遺一 「第三帝国」研究における「第三の国」
1 ジャン・フレーデリク・ノイロール『第三帝国の神話』
2 フリッツ・シュテルン『文化的絶望の政治』
3 ジョージ・ラッハマン・モッセ『フェルキッシュ革命』
4 クルト・ゾントハイマー『ヴァイマル共和国における反民主主義思想』
5 ジョージ・ラッハマン・モッセ『大衆の国民化』
6 ゴットフリート・ガーブリエルほか編『哲学歴史事典』
7 ブッハルト・ブレントイェンス『第三の国の神話』
8 コルネーリア・シュミッツ・ベルニング『ナチズム用語集』
9 クラウス・エッケハルト・ベルシュ『国民社会主義の政治的宗教』
10 シュテファン・ペーガツキ『穴だらけの私』
11 ヘルマン・ブッツァー「第三帝国における『第三帝国』」
12 マッティーアス・リードル『フィオーレのヨアキム』
13 リヒャルト・ファーバーとヘルゲ・ホイブラーテン編『イプセンの『皇帝とガリラヤ人』』
第二章 背教者ユリアヌス
1 高次の第三のもの
2 19世紀ドイツにおけるユリアヌス受容
3 フケーの『皇帝ユリアヌスと騎士たちの物語』
4 アイヒェンドルフの叙事詩「ユリアーン」
5 「ドイツ的な世紀」の彼方
第三章 日本における「第三の国」
1 雑誌『第三帝国』
2 イプセン受容
3 メレシコフスキー受容
4 新理想主義
第四章 東西交点としての「第三の国」
1 1923年
2 日本の『第三帝国』とドイツの『第三の国』
3 パウル・フリードリヒ
4 東と西における「パウリ、フリードリツヒ」
第五章 異端の正統者ルードルフ・カスナー
1 アンチポーデ
2 新しい「試み」
3 観相学的世界像
4 前綴りein-
第六章 東方からの黙示
1 ワシリー・カンディンスキー
2 トーマス・マン
3 ロシア的本質
4 言葉の英雄
第七章 ユーリウス・ペーターゼンの憧憬
1 問題の書の問題性
2 『ドイツの伝説と文学における第三の国への憧憬』(前半)
3 『ドイツの伝説と文学における第三の国への憧憬』(後半)
4 連続の中の不連続
結び 「第三の国」の行方
補遺二 日本におけるナチス研究の躓き
1 Nationalsozialismusをめぐる訳語問題
2 国家社会主義か国民社会主義か
3 未来へのメッセージとしての訳語
参考文献一覧
初出一覧
あとがき
事項索引
人名索引