どの職場でも悩まされる仕事の摩擦。
必要とは思えない会議や手順、組織内の対立やサイロ化、昔からのしきたりなどの障壁の数々。
こうした摩擦のない組織こそが良い組織だと思いがちだが、そうでもない。
摩擦のない組織はお粗末なプロダクトを市場に出し、燃え尽き症候群を起こす。
どちらにせよ、摩擦による問題は人々の熱意を奪い、
創造性と生産性を無駄にして、リソースを食い尽くしてしまう。
悪い摩擦と良い摩擦を使い分ける必要があるのだ。
しかし、この問題は放置されている。
その存在は気づかれにくく、気づいてもわれ関せずで、誰もが通り過ぎていく。
そんな組織の病に気づき取り組むリーダーがいる。
本書はそうした摩擦最適化請負人ことフリクション・フィクサーが
どのように職場の摩擦を解析し、改善していくかに焦点を当てた一冊である。
スタンフォード大学の研究者が7年に及ぶ調査をもとに、取り組みレベルを整理し、
最もわかりやすく有害な介入すべき摩擦、「無自覚なリーダー」「足し算病」
「連携の破綻」「無意味な専門用語の乱用」「過剰なスピード主義」といった
明確な罠を解説し、その原因と解決策を掘り下げている。
正しいことを容易に、間違ったことを困難にする。
摩擦の力が組織の「成し遂げる力」を引き出していく。