序章 経済学者の女性論に見るジェンダー思想史
――近代社会と「ジェンダー秩序」 柳田芳伸、原伸子
第Ⅰ部 産業革命期における女性解放の主導者たち
第1章 商業社会と女性
――ヒュームからトンプソンまで 山尾忠弘
第2章 イギリス産業革命期の結婚と女性
――マルサスの所論 柳田芳伸
第3章 ベンサムにおける性的快楽主義と女性
――同性愛行為・宗教批判・結婚制度 板井広明
第4章 J. S.ミルの『経済学原理』における女性
――男女の平等から労働者の境遇改善へ 小沢佳史
第5章 ハリエット・マーティノゥの経済学
――ヴィクトリア時代の異端派エコノミスト 船木恵子
第Ⅱ部 福祉国家黎明期におけるフェミニズム運動の展開
第6章 ミリセント・フォーセットの賃金論
――賃金基金説から同一労働同一賃金の提唱へ 松山直樹
第7章 「性の貴族制」から条件付き競争へ
――エッジワースにおける女性労働論の思想的変容 上宮智之
第8章 母性手当から家族手当へ
――エレノア・ラスボーンによる貧困調査とその解釈を中心に 赤木 誠
第9章 「革新主義時代」のフェミニズムと家政学
――無償労働の「発見」とジェンダー平等 原 伸子
第Ⅲ部 20世紀初頭の日本における女性平等思想
第10章 河田嗣郎の家族崩壊論の特徴
――高田保馬による批評を手がかりに 吉野浩司
第11章 永井享の婦人論
――社会が求める女性像をめぐって 杉田菜穂
第12章 石橋湛山の消費論と女性
――婦人経済会との関係を中心に 牧野邦昭