第1特集 在宅でのポケットエコーの活用
ポケットエコー(携帯型超音波診断装置)とは、文字どおりポケットに入るような小型のエコー装置のことを指します。ポケットエコーは持ち運びに便利で、かつ使う場所に縛られないことから、現在、在宅看護の分野で普及が進んでいます。利用者にとっても、無侵襲なために抵抗感が少なくて済む利点があります。
看護師がポケットエコーを活用する目的は、「的確な判断に役立てる」ことです。例えば、「摂食嚥下障害のある利用者の嚥下状況を観察し、むせにくい食べ方を考える」「腹痛を訴える利用者の腸内を観察し、痛みの原因を探る」「腹部が膨らんだ利用者の膀胱を観察して原因を推察する」など、エコー画像という“可視化された情報”を基によりよい対処法を模索できることが、ポケットエコーを活用する大きな魅力です。
本特集では、ポケットエコーの原理や基本操作、在宅ケアにおける活用方法を紹介した上で、「嚥下」「排便」「排尿」をテーマに、状態判断のポイントや活用におけるメリット、ICTと組み合わせて医師との共通理解に役立てた事例などを紹介します。
第2特集 令和3年度介護報酬改定 現場への影響
令和3年度介護報酬改定は、新型コロナウイルス感染症流行以降、初めての改定となりました。改定率は0.7%増で、ほぼすべてのサービスの基本報酬が12単位引き上げられました。
今改定では、1.感染症や災害への対応力強化、2.地域包括ケアシステムの推進、3.自立支援・重度化防止の取り組みの推進、4.介護人材の確保・介護現場の革新、5.制度の安定性・持続可能性の確保などに重点が置かれました。特に、自立支援・重度化防止の取り組みにおいては、科学的介護情報システム(LIFE)を活用することを前提とした加算が設けられています。また、在宅にかかわる改定項目としては、退院・退所当日の介護保険による訪問看護の算定対象の拡大、看護体制強化加算やサービス提供体制強化加算の見直し等がありました。
本特集では、同改定のポイントと在宅看護・介護の今後の方向性を示すとともに、現場の看護職の評価から地域包括ケアシステムの中で何を求められ、何をなすべきかを探ります。