まえがき
序章 「私たちはこれでいいのだろうか」―「麻薬」から「毒」を作るために
一 「逃避(BL)」は「抵抗(政治)」たり得るか
二 「ヤオイ」の現象化
三 「商品(BL)」の「お約束」
四 中島による「BL」批判
第一章 (反)「革命」としての「美少年マンガ」
一 「1968年という年」
二 反物語(ロマンス)としての「美少年マンガ」とその限界
三 反「革命」としての「BL」
第二章 疎外者(アウトサイダー)の自己幻想―中島梓の「少年」
一 書き落とされた「歴史」
二 「川口君事件」へのこだわり
三 「少年(マイナー)」の「逆転劇」
第三章 「川口大三郎」から「少年」へ
一 「生政治(バイオ・ポリティクス)」としての「川口君事件」
二 「川口大三郎」という「詩(ポエジー)」
三 「永遠の受動態(ネガティブ)」としての「少年」
四 「欲望」の原因としての「少年」
第四章 「闘争」する「少年」
一 「少年」をいかに書くか
二 「絵筆」と「ナイフ」
三 「ディオニュソス」としての「少年」
四 「アポロン」の背信
五 「美」を解体する「闘争」
第五章 商品の「逆転劇」―中島梓=栗本薫「真夜中の天使」論
一 「革命」から「革命ゲーム」へ
二 「民主主義など、くたばってしまうがいいのだ」
三 今西良は商品(モノ)である
四 「解放区」の破壊者(サークル・クラッシャー)としての商品
五 商品の「逆転劇」
第六章 史上「完璧」な「JUNE」―野村史子「テイク・ラブ」論
一 野村史子/中野冬美による「やおい表現」批判
二 「革命」の物語(ナラティブ)を「解体」する
三 「妹」の「欲望」
四 他者と協同する「愛」の物語(ナラティブ)の(不)可能性
第七章 「飼育係」の法―西条公威「ABSOLUTE BODY CONTROL」論
一 「普通の少年たち」の台頭
二 西条公威の暴力的(アナーキー)な「BL」
三 「飼育係」の謎
四 「普通の少年たち」の猥褻な法
五 法の下での「成長」
第八章 「強姦(セックス)」しない方を望むこと―本仁戻「飼育係・理伙」シリーズ論
一 監視/管理(コントロール)の手段としての暴力(リンチ)と強姦(セックス)
二 「究極のQ(女)」としての「飼育係」
三 「セックスしな」いという選択
あとがき
初出一覧
索引