はじめに
■第一部 悪党の系譜
第一章 楠木合戦と悪党の系譜
はじめに
第一節 楠木正成の出自をめぐって──関東御家人・得宗被官から悪党へ──
第二節 楠木合戦と元弘の動乱──第一次楠木合戦の展開──
第三節 河内合戦から天王寺合戦へ──第二次楠木合戦序盤の展開──
第四節 赤坂合戦と平野将監入道・キレ一族──悪党から楠木一党へ──
第五節 金剛山千早合戦の実相をめぐって──寄手の攻城と籠城・後詰・兵糧──
第六節 楠木一族和田氏と和泉の和田氏──楠木一族の指標と展開をめぐって──
第七節 元弘三年の京都合戦と悪党勢力 ──六波羅討滅の原動力をめぐって──
第八節 悪党戦術の諸相をめぐって──主従関係と築城・戦法──
第九節 大塔宮護良親王の躍動から失脚へ──建武政権の混迷と短命の要因──
第一〇節 摂津湊川合戦と正成の首のゆくえ──史実と物語のはざまで──
第一一節 楠木一党のもうひとつの本拠地──二上山城と楠木石切場をめぐって──
第一二節 大和三輪合戦と西阿の動向──楠木一党との関連で──
第一三節 楠木正成の人となりについて──時代の制約と合理精神──
第二章 楠木一族の名字をめぐって
はじめに
第一節 「楠木」石切場の発見
第二節 観心寺庄七郷と寺元
第三節 橘姓和田氏と甲斐庄氏
むすびにかえて
第三章 楠木合戦と石川源氏・坂戸源氏──壺井・山城氏は石川源氏にあらず──
はじめに
第一節 元弘三年正月・天王寺合戦と宮方の面々
第二節 石川源氏と坂戸源氏
第三節 延元二年・建武四年の東条口山城合戦
むすびにかえて
■第二部 中世寺院考 続 河内金剛寺の中世世界
第一章 八条院祈願所金剛寺の性格と位置
はじめに
第一節 金剛寺の八条院寄進
第二節 祈願所指定と双務契約
第三節 女院祈願所から女人高野へ
第二章 金剛寺坊舎の性格と展開
はじめに
第一節 僧房から坊舎へ
第二節 坊舎の構造と坊領
第三節 坊舎の住持規制をめぐって
第四節 坊舎間の格差と系列化
第三章 金剛寺の湯屋坊をめぐって
はじめに
第一節 「湯屋坊」の再発見
第二節 金太郷住人隆意と金剛寺住侶隆意
第三節 温室・風呂の寺内規制
第四節 湯屋坊の展開
第五節 湯屋坊の機能と役割
むすびに
第四章 金剛寺の常住規制と女人住山
はじめに
第一節 常住規制をめぐって──出家と世間──
第二節 女人住山とその用件
第三節 女人の住山禁制へ
第五章 金剛寺の白炭免と院主・寺僧・寺辺領主──金剛寺をめぐる悪党状況──
はじめに
第一節 白炭免の由来と相伝
第二節 守護所使の金剛寺乱入
第三節 女院女房から大乗院門跡へ
第四節 尾張房貞円と天野谷下司職
第五節 金剛寺の御影供と悪党乱入
第六節 仏智房清弘等殺害事件
第七節 院主職の停廃と評定衆
むすびに
第六章 上乗房禅恵の血脈と人脈
はじめに
第一節 伝法師匠盛誉と野沢両流
第二節 禅恵に伝授された「印信」
第三節 先師忍実は興聖菩薩の甥
第四節 文観房殊音の「門弟随一」
第五節 光厳法皇に「印信」授与
第六節 津守国冬と金剛寺大門供養
第七節 禅恵の有徳をめぐって
むすびに──禅恵の老屈・病苦──
■第三部 地域史を考える
第一章 中世前期の高野参詣とその巡路
はじめに
第一節 参詣巡路の推移
第二節 鳥羽院政と巡路「河内路」
第三節 巡路「河内路」の展開
むすびにかえて
第二章 河内国木屋堂考
はじめに
第一節 高野仙幸と木屋堂御所
第二節 中世前期の木屋堂
第三節 木屋堂と在地勢力
むすびに
第三章 中世長野谷の町場の形成について──「大日寺遺跡」と「三日市遺跡」をめぐって──
はじめに
第一節 木屋堂と大日寺遺跡の「屋敷墓」
第二節 「善福寺」と「善福寺三ヵ村」をめぐって
第三節 三日市遺跡と河内源氏・石川氏
第四節 中世の三日市と「祇園堂」
【論評】悪党と地域を読み解く史眼──堀内和明の歴史学──(廣田浩治)
専門委員就任履歴
著作目録
略年譜
家族との想い出
編集後記