鈴木大拙は妙好人庄松の世界を「宗教を解せぬ人の断じて踏み込めないところ」とし、柳宗悦は「信心にこそ宗教の究極があるとすると、妙好人の言説にこそ、宗教の哲理が結晶されている」といった。彼ら妙好人研究者と妙好人また妙好人伝の歴史を辿り、その背景と歴史的意義、現代社会における意義を考察する。
【目次より】
序
第一章「妙好人」とは
一、妙好人という言葉
二、『観無量寿経』に説かれる、念仏するものは分陀利華
三、極悪人の心に咲いた信心の華
四、経典に説かれる蓮華
五、他力の信心を得た人
六、他力信心の人、近代を生きた妙好人・浅原才市
第二章『妙好人伝』の成立
一、近世の『妙好人伝』
1、仰誓編『親聞妙好人伝』『妙好人伝』
2、僧純編『妙好人伝』
3、象王編『続妙好人伝』
二、近・現代の「妙好人伝」と「妙好人」の著作
1、富士川游編『新選妙好人伝』
2、藤秀●編『新撰妙好人列伝』
三、妙好人伝・妙好人研究の経緯
第三章 妙好人を研究紹介した人びと
一、鈴木大拙
二、柳 宗悦
三、楠 恭
四、佐藤 平
五、朝枝善照
第四章 妙好人の信心と生活
一、大和の清九郎
二、石見の浅原才市
三、因幡の源左
四、讃岐の庄松
五、石見の善太郎
第五章 現代の妙好人的人物
一、現代日本の妙好人
1、東 昇
2、小西輝夫
二、外国の妙好人的人物
1、ハリー・ピーパー
2、アルフレッド・ブルーム
3、アドリアン・ペール
4、ジャン・エラクル
第六章 現代社会における妙好人の意義
あとがき