“あなたはだんだん読みたくな~る”
〈科学・宗教〉と〈オカルト〉の交差点に乱れ咲く催眠術の熱狂と盛衰!
明治日本をにぎわせた「催眠術」。〈科学・宗教〉と〈オカルト〉の間を往還するその曖昧な立ち位置ゆえに、人々は惹かれ、熱狂した――。
学者、軍人、教員、新宗教、メディア……さまざまな主体を巻き込みながら、娯楽から治療、アカデミズム、そして犯罪や国民統制にまで滲透していった催眠術はいかに語られ、使われ、消費されていったのか。
知と欲望が渦巻く「催眠術ブーム」の盛衰をたどり、日本近代史の知られざる横顔を浮かび上がらせた好著!
■目 次■
はじめに
Ⅰ 催眠術の登場――合理と非合理のはざまで
1 催眠術の移入
2 異形としてのメスメリズム
3 「幻術」の発見
4 「幻術」の歴史
Ⅱ 催眠術ブームの背景
1 明治三十六年の催眠術
2 幸田露伴「術比べ」の周辺
3 アカデミズムと権力/制度
Ⅲ 変質する催眠術
1 森鴎外「魔睡」の象徴性
2 「千里眼事件」の波紋
Ⅳ 霊術の時代
1 霊術のバックグラウンド
2 多面体としての霊術
3 霊術の行方
おわりに――世紀末と現代日本
あとがき/文庫版あとがき