大日本帝国はいかにして「民主主義国家・日本」へと変貌したのか――。
日本の「精神的武装解除」のために「国家神道」の解体と強引なキリスト教化を推し進めるマッカーサー元帥。一方、日本政府は「国体護持」に腐心し、面従腹背の姿勢で応じる。
GHQ占領下で展開された宗教政策の実態と顛末を、神道とキリスト教の相克を軸に描き出す。
「神道指令」「人間宣言」に込められた真のねらい、そしてGHQが掲げる「信教の自由」がマッカーサー自身の足枷となり、キリスト教化政策の破綻へとつながっていく皮肉な事実を明らかにし、敗戦国日本が体験した「レジーム・チェンジ」(体制変革)の本質を宗教的次元から抉り出した、渾身の歴史分析。
第29回大平正芳記念賞特別賞などを受賞した日米関係史研究の秀作にして、戦後日本の出発点を理解するうえでの必読文献に大幅な改訂を施し、新たに付論「日本敗戦と教育勅語」を増補した決定版!
■目 次■
序 章
第1章 無条件降伏と米国の対日占領政策
第2章 「人間宣言」と「現御神」天皇論考
第3章 国家神道論―「神道指令」と「国体護持」―
第4章 占領・民主主義・キリスト教
終 章
付 論 日本敗戦と教育勅語
後 書/増訂版後書/索 引
※本書は、2012年7月に学術出版会より刊行された書籍の増補改訂版です。