寺院の宝物(寺宝)は、どのような経緯で「美術品」「文化財」として認識されるようになったのか。近世、醍醐寺のなかで仏画が保存・継承された事例、明治期に行われた調査や博覧会により醍醐寺の寺宝が文化財としてとらえられるようになった経緯など、認識の変遷を表背墨書や行政文書等の史料をもとに解明する。
目次
序章 本書の目的と構成について
第一部 近世における醍醐寺座主の仏画の保存継承
第一章 表背墨書から辿る義演の仏画の保存継承
第二章 表背墨書から辿る覚定の仏画の継承と新図制作
第三章 表背墨書から辿る高演の仏画の保存修復事績
第二部 近代における寺宝の認識の変遷―醍醐寺を中心として―
第四章 京都府行政文書から辿る明治時代の寺院調査
第五章 京都府行政文書から辿る明治時代の美術調査
第六章 明治二十八年を巡る寺宝の認識
第七章 東京国立博物館所蔵史料を中心に辿る明治時代の社寺調査
第八章 修史事業のための醍醐寺の史料調査
第九章 明治時代における寺宝の認識の変遷
終章 本書の成果と課題・展望
あとがき/参考表/参考図/英文要旨/索引