【目次】
序―幽霊とは何か
第一章仏教と怪談
Ⅰ僧坊の幽霊像―鈴木正三・夜話の世界
Ⅱ執念のかたち―『因果物語』の念と蛇
Ⅲ心と炎―『奇異雑談集』に始まるもの
Ⅳ幽霊の遺念―僧侶必携マニュアル
Ⅴ唱導から巷説へ―根岸鎮衛『耳嚢』より
第二章因果・因縁を語ること
Ⅰ因果はめぐる小車の
Ⅱ死者の手首―廻国・懺悔の怪異空間
第三章怪異と教訓
Ⅰ蛇となり鬼と化す女の罪科と自省
Ⅱ女訓と怪異
第四章女霊の時代
Ⅰ先妻はなぜ祟るのか
Ⅱ後妻打ち怪談の系譜
Ⅲ近世高僧伝への展開―妬婦の屍にまたがる男
Ⅳ「人ごころ」の闇―西鶴と浮世の怪異
第五章演じられた怪異
Ⅰ古浄瑠璃の女人蛇体
Ⅱ元禄歌舞伎と怨霊事
第六章侍のイエに祟る女霊たち
Ⅰ徳川小王権の闇―築山御前伝説
Ⅱ地方奇談にみる「祟る奥方」
Ⅲ皿屋敷と名家没落譚
Ⅳ貞女か悪女か―四谷怪談を歩く
第七章生活の中の異界
Ⅰ鬼女と蛇婦の説話史をたどる
Ⅱ女房の角―執念のシンボリズム
Ⅲ文芸化される鬼女―お伽草子『磯崎』から「吉備津の釜」まで
Ⅳ京都・歯形地蔵縁起─街角の噂
第八章地方口碑と江戸怪談
Ⅰ清姫の蛇性─ 土地の伝承から読む道成寺縁起
Ⅱ高僧伝と風土─累が淵の原風景
Ⅲ産女のお弔い
終章 近代文学への通路
泉鏡花と狂女、妖婦─『妖怪年代記』『龍潭譚』の原像
エピローグ
索引