第12回第二次「関根賞」受賞
「早稲田大学国文学会(窪田空穂)賞」受賞
堺本枕草子を再検討する上で「再構成本」という新しい視点を導入することの有用性
従来は堺本を前田家本と同じ「類纂形態」の本として横並びで把握していたが、「類纂」ということばでは説明しきれないような数々の問題が随想群の検討を通して浮上してくることは看過できない。
要は、堺本を「類纂本」とする従来の見方が、かえって堺本の本質を理解する妨げとなっていたとも考えられるのであり、用語の問題をも含めて、これまでの堺本に対する認識を根本的に改めることさえも求められてくるであろう。
ひとまず「類纂」という名称から一度距離を置いて、堺本の編纂方式を誠実に見ていく必要があると思われる。
本書では堺本の編纂のありようを、堺本による再構成行為の成果と見なして、『枕草子』の生成・享受の面から積極的に捉え直していきたいと考える。
すなわち、堺本を「再構成本」という独自の視点からあらためて検討しようという試みである。