第1編 実践編―財務情報の利用可能性―
第1章 会計事象オントロジーの構築に向けて
1 はじめに
2 会計事象の体系化の試み
(1) 勘定理論から会計データモデルへ
(2) 会計データモデル論の展開
(3) 伝統的複式簿記システムからの乖離
3 REA会計モデルからの示唆
(1) REA会計モデルの概要
(2) REA会計モデルにおける「事象の二元性」の意味
4 会計事象オントロジーの意義
(1) セマンティックス的な事象の把握とオントロジー
(2) オントロジーの定義
(3) 上位オントロジーからの考察
5 おわりに
第2章 EUの同等性評価とわが国のコンバージェンス戦略
1 はじめに
2 EUの国際会計戦略と同等性評価
(1) EUの戦略を決定した準備段階
(2) IFRSs採用の立法措置
(3) 同等性評価によるコンバージェンス戦略の展開
3 EUの同等性評価と日本の対応
4 おわりに
第3章 リース会計と国際的調和
1 はじめに
2 我が国におけるリース取引の内容と会計基準の特徴
3 リースのオン・バランス化をめぐる国際的経緯
4 我が国リース会計と国際的調和の方向
5 おわりに
第4章 金融商品会計と債務時価評価に関する一考察
1 はじめに
2 債権時価評価の現状と意義
3 債権実勢時価と「実務指針」時価
(1) 債権実勢時価推計方法
(2) 「実務指針」時価
(3) 検証結果と若干の考察
4 債権時価評価モデル構築と検証
(1) 債権時価評価モデル構築
(2) モデル検証
5 おわりに
第5章 保守主義の債務契約における役割
1 はじめに
2 保守主義に関する先行研究
3 仮説の導出
4 リサーチ・デザイン
(1) 保守主義の代理変数
(2) 債務契約と保守主義の関連性
5 サンプルの選択および保守主義の代理変数の決定
(1) サンプルの選択
(2) 保守主義の代理変数の決定
6 記述統計量と相関係数
7 調査結果
(1) 債務契約と保守主義との関連性
(2) 追加検討
8 おわりに
第6章 京都倒産企業の研究
―ロンシャン株式会社―
1 はじめに
2 ロンシャンはこんな会社(だった)
(1) 洋装化の進展とプリントブームで急成長
(2) 上場を境に業績悪化
(3) 経営危機を乗り切る
(4) アパレル子会社の吸収合併が裏目に
(5) 万策尽きて倒産
3 成長の要因と背景
(1) 呉服からテキスタイルへの転業
(2) アパレル部門の切り離しと新合繊ブームの到来
4 倒産の原因とその背景
(1) 遅れた商品構成の見直し
(2) 服地生産の海外シフトとアパレル市場の拡大
(3) アパレル子会社の吸収合併
(4) あれやこれやの事業拡大
(5) 後手に回った経営合理化
5 おわりに
第7章 ベンチャーキャピタルの情報開示の課題
―投資ファンドの連結の必要性はあるのか?―
1 はじめに
2 VC投資とファンド組成の経緯
(1) 民法上の組合を活用したファンド生成
(2) 投資事業組合の法制化
3 上場VCの連結財務諸表事例
(1) VC(GP)の役割
(2) 従来のVCの会計処理
(3) 組合ファンド連結後の会計処理
(4) VC投資家への情報開示の工夫
4 実質支配力基準の適用による開示情報の変更
(1) 連結財務諸表ルールにおける連結範囲
(2) 実務対応報告20号における支配力基準の解釈の変化
5 どうして投資事業組合が連結対象となるのか
6 おわりに
第2編 理論編―簿記・会計の理論―
第8章 決算時費用認識に係る相手勘定の性質
1 はじめに
2 繰延割賦売上利益勘定および繰延内部利益勘定
(1) 繰延割賦売上利益
(2) 繰延内部利益
(3) 未実現利益の控除
3 繰越商品勘定
4 売掛金に対して設定される貸倒引当金勘定
5 おわりに
第9章 シェアー勘定理論の再検討
―資本等式におけるAとKの関係を中心に―
1 はじめに
2 資本等式の原型A=Kとその導出プロセス
(1) 原型A=Kとその導出プロセス
(2) Aに対するKの従たる側面について
(3) Pの扱い
3 AとKの意味
(1) Aの意味
(2) Kの意味
4 おわりに
第10章 カレント・コスト会計における物的資本維持
―Gyntherの時価主義会計論における管理会計的視点―
1 はじめに
2 Gynther(1966)の評価
3 会計主体論と利益計算
4 費用性資産の保有損益の取り扱い
(1) 資産評価と評価差額
(2) 棚卸資産の評価
(3) 固定資産の評価
5 おわりに
第11章 ベッドフォード『利益決定論』の研究
―生産過程把握の観点から―
1 はじめに
2 ベッドフォードの『形成的アプローチ』
3 「活動別利益報告書」の検証
4 おわりに
第12章 事業資産の「公正価値」評価・考
1 はじめに
2 事業資産の「公正価値」とサーヴィス潜在性
3 Paton and Littleton学説における「原価」概念と「サーヴィス潜在性」
4 おわりに
第13章 公会計における財務諸表の構成要素
―GASB公開草案『財務諸表の構成要素』の検討―
1 はじめに
2 州政府等が作成する財務諸表の種類
(1) 財務報告の目的と財務諸表の関係
(2) 基本財務諸表の内容
3 『公開草案』による諸概念の定義
(1) 構成要素を定義する接近方法と「資源」概念
(2) 構成要素の定義
4 おわりに
第14章 株主資本等計算書と資産負債アプローチおよび簿記
―長谷川提案・考―
1 はじめに
2 株主資本等変動計算書の分析
3 収益費用アプローチと計算書
4 資産負債アプローチと計算書
5 おわりに