その時、声を届けられるように。
アマチュア集団が作った「背負って運べるラジオ局」が、
世界の災害国に広がり始める──!
先駆者たちの軌跡から、開発・実装のドタバタまで──
本インドネシア、縦横無尽の物語。
社会を変える草の根アクションの可能性とおもしろさをききと語る!
【本より】
この本の登場物たちも最初の歩はごく狭い範囲から始まりました。
シドレジョ村で、区で、サミラン村で、
竿のごときアンテナを掲げたところから、すべては動き出しました。
バックパックラジオのプロトタイプは、審査委員席にすら届かない放送距離でした。
放送技術をロクに知らず、マイクに向かって話しかけたことすら
ほとんどないアマチュアが、狭い地域で始めた活動だったのです。
それが、いつのまにか多くのを互いに巻き込みあい、
インドネシアの法律を変えるほどのうねりになりました。
きっと、どんなことでもはじめの歩は歩幅が狭く、さなものなのでしょう。