目次
イントロダクション─「社会」はどうして見えにくいのか?─
1 「ことば」の見えにくさ、貨幣の見えにくさ
2 見えにくい「社会」が見えてくるとき
3 ノイズとしての「社会」─滑らかさに抗うもの─
第1章 大学のいま─「能力開発」主義の時代?─
1 大学(生)に求められる矛盾した要求
2 戦後の高度経済成長と大学の大衆化
3 大学の「空洞化」と日本型雇用システム─大学紛争から「レジャーランド」へ
4 教育改革と大学改革の時代へ─矛盾する要求は両立可能か?
第2章 「社会」への問い─「ことば」と「もの(ごと)」の関係─
1 大学での勉学は「能力開発」の手段ではない
2 「社会(学)とは何か?」という質問とその罠
3 ことばは「もの(ごと)」につけられた名前ではない
4 「ことば」のネットワークと「もの(ごと)」のネットワーク
第3章 「社会」の誕生─「社会」に埋め込まれる「統治」─
1 ことば/現実としての「社会」と「個人」
2 ことば/現実としてのstate(国家)
3 「中間団体(社団)」による支配─プレ「社会」の現実
4 「人口」の発見から「社会」の誕生へ
5 「社会」の自然性/自律性とそれを包囲する国家(統治)の力
第4章 「人間」の登場と「社会」の再編─光と影の19世紀─
1 「万国博覧会」という鏡
2 博物学的な思考の成立と解体─「人間」の誕生へ
3 「悪魔のひき臼」─市場の拡大と「社会」の再編
4 社会問題への対応─規律化と保険社会
第5章 福祉国家とフォーディズム体制─20世紀を支えた両輪─
1 ケインズ経済学と福祉国家─市場原理に抗って
2 「生–権力」とその帰結 (1)
3 「生–権力」とその帰結 (2)
4 フォーディズム体制へ─大量生産と大量消費の循環
5 戦後日本社会─家族、労働そして郊外の生活
第6章 ポスト「社会」の時代へ─社会の「市場」化と個人の「企業」化─
1 社会的自由主義の終焉
2 自由主義の変遷と「新自由主義neoliberalism」の誕生
3 新自由主義の源流としての「オルド自由主義」
4 社会の「市場」化と個人の「企業」化
第7章 ポスト・フォーディズム体制の矛盾─滑らかな「社会」のゆくえ─
1 市場に対する「フレキシビリティ」
2 市場によるコントロールと企業のユートピア
3 流動的なアイデンティティ─内面への退却と反転するコミュニケーションのネットワーク
4 「無媒介性の夢」と滑らかな「社会」のゆくえ
あとがき