クローン病は、安定しない体調、厳しい食事制限、トイレの不安などQOL(生活の質)に大きくかかわる病です。治らないけど、それ自体が命にかかわることはないと言われています。
著者がクローン病と診断されたのは37年前、21歳のとき。それからどのように病と向き合い、前を向く力を得たのか。「演奏家」から「講演家」へ、形を変えて夢を実現させた著者が「人生を切り拓いていく選択のチカラ」を実体験を交えて綴りました。
―困難な状況にあっても、自分の心の向きを少し変えるだけで未来が変わる―。
若い患者さんやそのご家族に、いま伝えたいメッセージをまとめました。
華やかな舞台の裏側から、40代以降のさまざまな合併症との闘いまで。今だから話せるエピソードが満載です。
「選択」する力をつけ「できる」に目を向けて、悔いのない人生を送りましょう。
◆ 読者の声 ◆
▼自分で選ぶ力の大切さがわかる一冊です
私が、聞き慣れないクローン病と言う病名を告げられたとしたら?
それだけで頭が真っ白になり思考停止して、治療は医師の指示に従うしかないと思いました。
しかし、著者は他の病気も併発して辛い闘病生活の中でも、当時勇気が居ったであろう転院を申し出たり、先入観も捨て断薬の決心もされました。周りの方に背中を押してもらったとしても、最後は全てご自分で選択されたのです。
そして現在、著者は講演やオカリナ演奏で人々に感動を与えておられます。
私も、何事も自分で選択しタイトルにもある様に『幸せを向いて生きる』と決めました。
本当に勇気が出る一冊です。ありがとうございました。
▼「生きる」ことに勇気と希望と夢をもらえる一冊です
クローン病という難病の過酷な闘病生活の中、オカリナに出会い、オカリナでたくさんの人を幸せにしている。
きっと神様が使命を与えてくれてると思います。益々元気に活動してください。勇気をもらえる一冊でした。
▼病気に苦しんでいる人や生きることに悩んでいる人に読んでほしい
読了後、自問をしてみた。普段、われわれが健康に生活できていることは、当たり前だと思っているから、何も感じない。病気になって、不自由な生活を余儀なくされて、初めて、健康の有難さを感じとる。筆者のように、留学の夢を絶たれ、一生、病気と付き合っていかねばならない、そんな状況に置かれたとき、自分ならどうするだろうか。自暴自棄になって何もする気にならないだろうか。また、運や医者など周りの環境のせいにしていないか。
筆者は、阪神大震災を機に、今、自分が置かれている状況の中で、自分ができることを見出し、また、美味しいものが食べれられるといった小さな喜びに対して感謝の気持ちをもって、新たな夢に向かって生きていこうとしており、その姿はすばらしい。悔いなく生きるために、勇気をもって、自分で決断し、新たな一歩を踏み出している。
われわれの想像を絶する辛い経験をしても、常に前向きに生きることの大切さを示唆してくれる一冊である。