日本人の識字率は世界トップレベル?
「日本人は読み書きができる民族」という自己認識は、実は1948年、戦後間もない時期に行われた、日本で唯一の全国的な識字調査で、「非識字率は約2%」という数値で報じられたことによります。ですが実はそれ以来、同規模の識字調査は一度も実施されていません。
現代では実はどうなのでしょうか。
そもそも「識字」とは何なのか。日本に住む人たちの識字の実態を把握するには、いつ・どこで・誰が・誰を対象に・どのように調査をすればよいのか。
日本語が母語ではない人や、視覚障害・聴覚障害をもつ人、義務教育の学びの機会をもたなかった人など、社会の中で見えにくい立場にある人々の言語使用の実態は、どう把握すればいいのか。
誰もが使う文字。誰もが「読める・書ける」ことを前提として生活している社会。しかし、その「当たり前」が本当に全員にとって当たり前なのか。
多様な日本語使用者がいる現在の日本。その日本で「リテラシー」をどう考えるのか。基本となる書です。
[本シリーズについて]
現在の社会では、言語だけではなく、さまざまな特性によりコミュニケーションがとりづらい人たちがいます。
みんながストレスなく生活していくだけでなく、すべてのひとに力を発揮してもらえる社会にするために、いまどんな課題があり、それをどうやって解決していけばよいのでしょうか?
それを考えるのが新しい学問分野「コミュニケーション共生科学」です。