【主な目次】
第一部 沖縄戦をめぐる文学的表象
第1章 古川成美『沖縄の最後』におけるテクストの変遷と戦場へのまなざし
――初出版の問題点と改訂版の差異をめぐって
第2章 古川成美『死生の門』におけるテクスト生成と作品企図
――「形容の脚色」を帯びた物語の行方
第3章 石野径一郎『ひめゆりの塔』論――作品の周辺と内容をめぐって
第二部 米軍占領下の文学作品――大城立裕を中心に
第4章 峻立する五〇年代〈沖縄〉の文学――大城立裕の文学形成と『琉大文学』の作用
第5章 大城立裕「棒兵隊」論――沖縄戦をめぐる内部葛藤の物語
第6章 大城立裕「カクテル・パーティー」論――沈黙をめぐる〈語り〉の位相変化
第三部 沖縄の米軍基地とベトナム戦争――又吉栄喜を中心に
第7章 又吉栄喜初期作品における〈少年〉をめぐって――施政権返還後の沖縄文学の動向
第8章 又吉栄喜「ジョージが射殺した猪」論――〈模倣〉と〈承認〉による「米兵」化をめぐって
第9章 又吉栄喜「ターナーの耳」論――〈耳〉をめぐる生者と死者の対話の可能性/不可能性
第四部 沖縄戦の記憶をめぐる文学作品――目取真俊を中心に
第10章 目取真俊「水滴」論――〈共同体〉・〈記憶・〈水〉をめぐって
第11章 目取真俊「魂込め」論――誤読される〈記憶〉の行方
第12章 目取真俊「伝令兵」論――意味の空白・空白の記憶