書画、篆刻、料理、陶芸、漆芸、日本画など、様々なジャンルで多彩な作品を残した北大路魯山人は、マルチな才能を発揮した天才芸術家として広く知られている。特に書は、魯山人自身がもともと書家を志していたこともあり、膨大な数の作品を残している。しかし、その魯山人の書を読み、意味を理解し、その出典を理解することは専門家でもかなり難しいと言われている。それは、魯山人の書自体が読みにくいものであることに加え、書かれた言葉は漢詩が多く、理解しにくいためだ。
そこで本書では、魯山人が書に残した言葉(漢詩や和歌などの詩歌、成句など)をすべて取り上げ、書き下し文(日本語文法読み)、通釈(意味)、出典を紹介する。言葉の意味や出典が分かると、魯山人の書の楽しみはさらに増す。
収録する詩歌・成句は約900。愛好家から専門家まで、魯山人の「書」の入門書となる。