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社会学教育の意義と実践

社会学教育の意義と実践

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商品説明
 本書は、43年の社会学教師としての経験を凝縮した書籍である。27歳という若さで、大学生を教える社会学教師となり、そこから試行錯誤しながら、社会学とは何か、どういう学問であるべきか、どう伝えるべきかを考え、実践し続けてきた、ひとりの社会学者の情熱と経験が興味深い読み物として提示されている。
 よい社会学教育をするためには、教える人間がまずは社会学とはどういう学問かということをしっかりつかまないといけない。著者は、社会学教師として経験を積む中で、社会学をどう捉え、どう伝えていくべきか、そして社会学を学ぶことは非常に意義のあることだということを、40歳頃に確信するようになった。
 本書には、その頃から著者が様々な場面で語ってきた文章を整理分類して掲載されている。第1部では、著者が社会学をどのような学問であるべきと捉えているかが語られる。著者は、100人の社会学者がいれば100の社会学があるといった言説を否定し、社会学にはちゃんと共有されるべき社会学的思考があると主張している。そうしたしっかりした社会学的パースペクティヴなくしては、社会学教育は行いえないとも主張する。
 社会学的思考のひとつの大事な要素が、現代社会の動きに敏感であり続けることだが、著者は「片桐ゼミのホームページ」というウェブサイトで、まさにそうした現代社会の分析を四半世紀以上にわたって行ってきている。大量に書かれてきたその現代社会分析のほんの一部を第2部で紹介している。四半世紀以上の時間は、やはりいろいろな状況が変化する長さなのだということが実感できるだろう。
 こうした社会学観、現代社会分析をベースに、著者がどのような社会学教育法を構築し、実践してきたかが第3部で示されている。社会学を通して人育てができるのだということを示すために、この第3部では教え子たちによる文章が数多く掲載されている。そこには、社会学を著者のゼミで学べてよかったという声がたくさん見出される。社会学という学問の魅力と著者のコミュニケーション好きがあいまって、そこには社会学教育を通して教師と学生によるユートピアのような世界が生み出されている。
 社会学の専門書は数えきれないほど出ているが、社会学教育を冠した本は、本書が初めてだろう。社会学の教科書もたくさん出されているが、そういうものを読むだけでは、社会学教育の本質は理解できない。社会学教育とはどのようなものであるべきかを正面から問う本書のような書籍がもっと出てくるべきだろう。社会学という魅力的な学問が、より多くの人に生きていく上で有意義な学問だと広く認識されるようになることを著者は強く願っている。
目次
はじめに

第一部 社会学論
 第一章 『社会運動の中範囲理論』と私の社会学観

 第二章 現代社会の危機と社会学の役割 ―素朴な社会学者の呟き―
  第一節 現代社会は危機か?
   一― 一 社会の危機とは?
   一― 二 社会と国家
   一― 三 幸福とは?  ほか
  第二節 社会学は役に立つのか?
   二― 一 社会学は役に立たない?
   二― 二 個人レベルでの社会学の有用性
  第三節 社会学の再生を求めて
   三―一 現在の社会学の問題点
   三― 二 マクロな視野
   三― 三 量的データの重視  ほか

 第三章 まちづくりの現場で社会学に何ができるか
  【補足一】 鞆の浦 架橋・埋め立て「中庸を」
  【補足二】 二〇二五年五月時点の鞆の浦の状況

 第四章 現代社会学再考
  第一節 社会学と実践
   一― 一 社会学の実践性
   一― 二 政策科学としての社会学
   一― 三 「住民の立場」に立つ心地よさ?
  第二節 社会学の重要性
   二― 一 社会学的想像力の必要性
   二― 二 「虫の眼」と「鳥の羽」
   二― 三 学問研究は何のためにするのだろう?
  第三節 社会学の対象
   三― 一 三十秒でわかる社会学
   三― 二 社会学の研究対象とその発見
   三― 三 固有名詞の社会学は難しい
  第四節 社会学の分析
   四― 一 社会学における客観的認識
   四― 二 実感主義とミクロ社会学
   四― 三 社会学的価値相対主義の潜在的逆機能  ほか
  第五節 社会学と言葉
   五― 一 概念へのこだわり
   五― 二 専門用語を学ぶことの重要性
   五― 三 比喩の魅力と危険性  ほか
  第六節 社会学の分裂
   六― 一 連字符社会学の発展と社会学の危機
   六― 二 文化へ走る都市社会学、環境に入れ込む村落社会学
   六― 三 大学院生のレベル低下を憂う
  第七節 社会学の見る社会
   七― 一 社会はどのように成立したのか? ―歴史的考察―
   七― 二 全体社会の範囲
   七― 三 社会と国家 ―あるいは幸福論―

第二部 現代社会の分析
 第五章 社会・文化
   五― 一 若いことは価値のあることなのだろうか?
   五― 二 子どもは親のおもちゃじゃない!
   五― 三 歴史を作るのは社会  ほか

 第六章 制度・慣習
   六― 一 教育改悪?
   六― 二 日本休日制度改革案
   六― 三 「平成の大合併」より「平成の大分割」を!  ほか

 第七章 政治・国際・経済
   七― 一 日本議会制度改革私案
   七― 二 安倍内閣は小泉内閣のように長持ちはしない
   七― 三 スネ夫のような国・日本  ほか

 第八章 恋愛・結婚・男女
   八― 一 「小恋愛結婚」のすすめ
   八― 二 近い将来、シングルマザーを後押しするのは……
   八― 三 「愛」と「恋」  ほか

 第九章 学生・若者
   九― 一 良きフォロワーから失敗を恐れぬリーダーへ
   九― 二 戦後史を学ぼう!
   九― 三 引きこもりと甘え  ほか

 第十章 コミュニケーション・マナー
   十― 一 匿名コミュニケーション
   十― 二 二人席のマナー
   十― 三 メールは一往復半が基本  ほか

 第十一章 生き方・考え方
   十一― 一 半分「個」・半分「類」として生きてみたら
   十一― 二 頭のギア・心のギア
   十一― 三 ぼちぼち行くか、頑張るか  ほか

第三部 社会学教育の実践
 第十二章 社会学教育の意義 ―大学での社会学の学び方、活かし方―
  はじめに
  第一節 社会学をどう活かせるか?
  第二節 個人的社会学教育経験 ―自らの社会学教育論を相対化するために―
   二― 一 社会学受容経験
   二― 二 社会学教師として
  第三節 社会学の導入教育をいかに行うべきか?
   三― 一 最初の社会学の講義
   三― 二 基礎的演習系授業の重要性
  第四節 学部レベルの専門教育をいかに行うべきか?
   四― 一 専門講義
   四― 二 社会調査
   四― 三 ゼミ(専門演習)での教育  ほか
  第五節 社会学教育の意義と問題点
   五― 一 社会学教育の意義
   五― 二 社会学教育の問題点
   五― 三 めざすべき社会学教師像
  おわりに

 第十三章 社会学カリキュラムの変遷 ―関西大学社会学部社会学専攻を対象として―
  はじめに
  第一節 関西大学社会学部の歴史
  第二節 社会学部構想と創設時のカリキュラム
  第三節 四専攻体制の確立とカリキュラム改定
  第四節 大綱化以降のカリキュラム改革
  第五節 社会学関連科目の盛衰に見る社会学教育観の変化
  おわりに

 第十四章 ゼミ生たちによるゼミ紹介
  はじめに
   十四― 一 片桐ゼミの魅力
   十四― 二 片桐ゼミ紹介

第十五章 卒業時のゼミ生たちの思い
   はじめに
   十五― 一 おつかれさまでしたっ
   十五― 二 最高の二年間の感謝をこめて
   十五― 三 引越しを終えて  ほか

 第十六章 卒業後に学ぶ社会学
  はじめに
  第一節 片桐ゼミの集い
  第二節 片桐ゼミのホームページ
  第三節 片桐社会学塾
  おわりに

 第十七章 社会学を学んだことの意義
   はじめに
   十七― 一 まず社会学、次に医学、また社会学
   十七― 二 そして今日もわが家は家庭内片桐ゼミ
   十七― 三 ことばの教育と社会学  ほか

 第十八章 【解説】片桐先生の社会学教育 ―本書を通読して―

 あとがき
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