創業前夜 六〇年安保闘争の余燼のなかで 10
吉本隆明との出会い 「戦後世代の政治思想」の衝撃 19
念願の第一冊目を上梓 宍戸恭一『現代史の視点』 28
『現代史の視点』の推薦文 反響を呼んだ創業出版 39
我、人に逢うなり 桶谷秀昭『芸術の自己革命』 49
山形が生んだ夭折の鬼才 永山一郎『出発してしまったA´』 56
丹野文夫と清水昶 「文学村」のころ 65
演劇への射程 菅孝行『死せる「芸術」=「新劇」に寄す』 74
独創の田中英光論 毛利ユリ『連帯と孤死』 90
埴谷雄高との邂逅 六〇年安保世代の教祖 100
若き〈現代の定家〉の歌集 春日井建『行け帰ることなく/未青年』 110
『虚無への供物』の復活 中井英夫『彼方より』 119
不羈奔放に生きた俳人 堀井春一郎全句集『曳白』 127
二十年後の「ヒロシマ」 石黒健治『広島 HIROSHIMA NOW』 137
眼の歩行者 高梨豊写真集『人像』 144
猫の宇宙 武田花『うちの猫 よその猫』 149
愛惜する詩人の〈歌集〉と〈句集〉 吉岡実『魚藍』と『石原吉郎句集』 154
旧制一高文芸部の黄金期 白井健三郎『體驗』 165
気鋭の仏文学者の第一評論集 宇佐美斉『詩と時空』 174
〈おんな〉の思想 森崎和江と上野千鶴子 181
「峠」の思索者 真壁仁『吉田一穂論』 190
自由人・大井廣介 『野球殺人事件』と『ちゃんばら藝術史』 199
三島由紀夫が信頼した作曲家 矢代秋雄『オルフェオの死』 208
安保闘争を象徴する映画 深夜盤『灰とダイヤモンドのテーマ』 220
茂吉十七歌集の精髄 山形新聞編集局編『茂吉秀詠』 229
核と原子力をめぐって 吉本隆明『「反核」異論』 238
大岡昇平のモーツァルト 大岡昇平『音楽論集』 245
昭和俳句の巨星とコスモロジー 野尻抱影・山口誓子『星戀』 254
俵万智の青春 内山英明写真集『俵万智』 263
表現者、吉本和子 吉本和子句集『七耀』 270
異端の古代史家 室伏志畔『筑豊の黙示』 280
他者の悲しみへ憑依する魂 新藤謙『石牟礼道子の形成』 289
見事な文章技巧 野中映『音楽案内』 297
虫愛ずる俳人の死 渡部伸一郎『会津より』 301
魂鎮めの希望の書 原満三寿『白骨を生きる』 306
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深夜叢書への苛烈な批判 吉本隆明全集「書簡集Ⅰ」について⑴ 314
十二通の書簡 吉本隆明全集「書簡集Ⅰ」について⑵ 320
自立出版社とは何か 吉本隆明全集「書簡集Ⅰ」について⑶ 327
雨がふったらぬれればいいさ 吉本隆明全集「書簡集Ⅰ」について⑷ 333
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創業のころ——六畳間の出版社 「深夜叢書」にそそぐ青春 340
齋藤愼爾アルバム 346
深夜叢書社の本 1964—2024 358