本書はクールベがその芸術的・政治的信条を際立たせるサロンにおいて、如何に女性表象を扱ったか、画家がどのような役割をそれらに託したのか、という点を時系列に沿った個別の作品研究により解明する。
十九世紀フランス社会において非常に脆弱な立場にありながら、同時に社会の状態を映す指標でもあった女性という存在を的確に捉え、これを描き出すことでクールベは彼が生きた時代そのものをカンヴァスに写し取ることに成功した。同時代性をして普遍的な人間性を語るクールベ芸術の神髄を表現するうえで、女性表象は特に有効に作用し、彼のレアリスムを達成するための重要な手段となったのだ。
口絵カラー16点、モノクロ図版129点
目次
口絵
はじめに 1
第一章┃一八四〇年代―探究の土壌としての女性表象
第一節《ハンモック(夢)》にみるレアリスムの萌芽
第二節同時代芸術に対する眼差しとその吸収
第三節フーリエ主義への共鳴と反駁
第二章┃一八五〇年代―女性表象を用いたレアリスムの実践
第一節《眠る糸紡ぎ女》から考察する一八五三年のサロン
第二節《セーヌ河畔のお嬢さんたち(夏)》における二重のレアリスム
第三章┃一八六〇年代―学識ある画家への挑戦と裸婦像
第一節「プシュケの物語」の発展とその含意
第二節《ウェヌスとプシュケ》の寓意画的読解
第三節新たな裸婦像としての《女とオウム》
おわりに
図版一覧
あとがき
―
註 i
【資料1】 xxiv
【資料2】 xxviii
【資料3】 xxix
【参考文献一覧】 xxx
【図版出典一覧】 xlii
Gustave Courbet: Representing Women li