本書は、ヴェネツィアのカフォスカリ大学で行われた活動型授業Action Research Zeroの実践の記録である。「活動型」のクラスでは、学習者自身が、興味のあること(もの)からテーマを設定し、他者との対話を繰り返しながら、自らのテーマへの認識を深めていくことを通して日本語を習得していく。このような実践が、初級クラスでどのように行われるのか、第1部では、全16回の授業の様子が、ARZ生とのやり取りを通して、授業担当者らの鋭い目線で臨場感たっぷりに語られる。第2部では、ARZ の理論的背景として、「活動型」の歴史的背景や、評価の考え方など、著者らによる3本の論文を収録。巻末には、資料として、学習者のレポートや成果物をそのままの形で掲載。