映画好きの両親の元、幼い頃から映画にハマった著者は「ベンハー」を見た翌日から映画ノートを書き続けた。初恋の彼女と映画を見に行ったこと、山口百恵の「伊豆の踊子」一般オーディションに応募書類を送ったことなど、本を読みつつ、読者自身の思い出がよみがえってくるのも不思議。
小説『赤い刺青の男』の映画化とロケ誘致のため「007を香川に呼ぶ会」の事務局長として奔走したこと、処女作『高松純情シネマ』が「さぬき映画祭」コンテストで映画化された時には、監督が高嶋弘、主人公の母親役が女優 高畑淳子と高松高校時代の同級生が多く関わったという絆の強さも語られている。
仕事の傍らパーソナリティとして出演しているエフエム香川の「勝手にシネマニア」は26年目の現在も続行中。昭和30年後半からの思い出の映画を当時の出来事とともに綴られており、映画好きでなくても60代世代は楽しめる一冊。