谷川俊太郎さんの詩「ぼくのゆめ」の中に、「いいひとになりたい」というコトバがあります。
谷川さんは、「いいひと」をコトバに書くのはむずかしいので絵で描いてほしいといって、「オサム」という文を書きました。
それを見たあべ弘士さんは、オサムはゴリラだとひらめいて、たちまち絵を描きました。
あべさんに言わせると、ゴリラは、
平和主義者でいばらない。
きれい好き、きれいなものも好き。
他人(他ゴリラ)に愛情をもち、子ぼんのう。
あそびが大好き。
ご先祖を大事にする。
死を認識している…
まるで、谷川さんの祈りそのものです。いいひと絵本は、こうして生まれました。
「オサムはゴリラなの?人間なの?}という疑問は必ず読者から出てくると思います。言葉ではオサムは人間です。絵ではゴリラです。でも生きものとしてはゴリラと人間はとても近いのだから、「ぼくのゆめ」としてこの絵を楽しんで下さい。 -谷川俊太郎-
ゴリラは、とてつもなくりっぱなからだと力を持っている。ダッシュすると草が舞う。旭山動物園で私とつきあってくれたゴンタなんぞ、200㎏以上もあり、まるでプロレスラーだ。でも、その力をおくびにも出さず、いつも静かに夕日を眺めていた。 -あべ弘士-