序
第一章 日本を愛するその前に
第一節 現代日本に思うこと――偽善の王国はいつか滅びる
蟻の話/我々は本音を売り渡した/偽善の殿堂たる自衛隊へ
第二節 日本における〝分断〟
逃れられない二元論/繰り返されてきた常道
第三節 世論の分断が招くもの
相雷同して一生を終る者/国民は常に判断を誤ってきた/大目的なきが故の過ち
第四節 政治の機能不全がもたらした矛盾
自衛隊に戦う意志はない/戦いと本気/うぶで迂闊な日本人
第五節 我々の弱さが楽観と敗北とを育てる
生存競争から落伍した日本人/恐怖に耐えかねて生じる根拠なき楽観
第六節 今、為すべきことは何か
腐敗する組織の前に無力な良心/日本人の思想的弱さ/永遠なるものに帰順せよ/
日本人には恃むべき基軸がない/目的こそ力/痛みを痛みとして感ずること/
独立への熱願が日本を覚醒させる
第二章 "敗北の民族"
第一節 人は〝顔〟に出る
軍人ほど姿と内実が一致する人種はない/新たに位置を与うべき存在
第二節 日本における軍人の扱い
世間知らずの厄介者/うわべだけの支持が育てるもの
第三節 低い地位に置かれた軍人のとる姿
欲望の追求のみがはけ口となる/国民も軍の暴走と無関係ではない
第四節 地位の低い軍隊で生ずること
空疎な大言壮語/蔓延する自己陶酔/日本民族の病疾
第五節 日本軍の「自棄(ヤケ)」
あの戦争に確固たる目的などなかった/場当たり的な方策が招いた破綻
第六節 日本民族が「自棄」になるまで
現実を見ようとしないことが招く敗北/危機に目を塞ぐ日本人/
〝員数主義〟に蝕まれた日本軍/「そんなこと言ったってしようがないでしょう」
第七節 何故日本民族は「自棄」に至る道をとらざるを得ないのか
荒廃した精神土壌/無秩序な暴力的支配という帰結/露呈した思想の欠如/
欺瞞的な〝タテ〟の共同性/虚構に生きた日本人の姿
第八節 反省とは何であろうか
敗北の因子は我々の内に脈々と生きている/日本軍に足りなかった〝精神〟
第九節 同胞、日本民族に思う
行く当てのない日本丸/絶望の果てに現れる希望/日本人の歩むべき道/「民族の活動」
第三章 軍事を解さず、位置付けられないこと
第一節 日本に軍隊は存在し得るか
日本における人間の在処/自衛隊、この奇妙な存在/日本に軍隊は存在し得るか
第二節 もののふの有り様
日本における軍事の所在/米軍人の話/もののふの有り様
第三節 大衆の戦争としての二次大戦
大衆の軍隊/大衆が辿りついた決戦場としての二次大戦/
大衆は何を仕損じ、何を成し遂げたか/大衆性を如何に処すべきか
第四節 自衛官とは何者か
国民の無関心~みなしご自衛隊/自衛隊の中の国民~鉄砲を持たされる者たちの姿/
国民の変質と自衛隊~兵の劣化/志操の優れた者から去っていく/
国民と自衛隊~率いる者の姿/歪な建前への従順さはこの国の危機を育てる/
人間と軍隊~戦争と軍隊は異なる/軍隊は国民に他ならず/
〝生きたい〟と〝死にたくない〟/不道徳な日本人/暴力排除と国民の共犯関係/
自衛隊が戦えるものか/我々の国は、私の国
第五節 きけ、さきもりのこえ
日本人の現在地/奇形の軍民関係を正せ/軍は名誉を以て遇せ/
日本国防の現在地を見定めよ
第六節 不義の子として生きて
人の嫌がる軍隊に、志願で出てくるバカもいる/自衛官、この不義の子ら/
不義の子である気後れが生むもの――らしさの喪失/兵を戦わせるもの/
不義の子が目指すものは/国民に訴える
小幡敏氏の武運を祈る 藤井聡(京都大学大学院教授)
あとがき