シネキャピタル――普通のイメージ=労働者たちの
不払い労働にもとづく、新手のカネ儲けの体制!
搾取されてるっていうのに、
ぼくや彼女ら「普通の鳥」は、働くことに
やりがいや喜びさえ感じている。
それどころか、
観客=投機家として無数の企業のために、
いっそうタダ働きをしてしまっている。
どんなやり方でシネキャピタルは、
この剰余価値生産に
ぼくたちを組み込んでいるの?
こんな暮らしから身を引き、
「労働からの解放」、
「解放された労働」を
獲得するなんてできるの?
* * *
ぼくたちはいつのまにか
「ヒッチコックの鳥」になっちまってる!
このインチキにこそ
映画の、ヤツらの、
取り分があるんだ。
┃ オビの推薦文
最先端の思想もイメージも
大胆に読みこめる廣瀬純は、
書き手としても稀有の才能に
恵まれている!!
―――― 蓮實重彦