K大学とR大学に合格した先輩である人物に、同じ中学出身の後輩がOB訪問をする。先輩はAO受験指導を受け大学合格を果たした。しかし、説明会で、家庭の収入格差が子供の教育に左右してはならないとする塾が、その費用負担を将来学生が支払う事とし、正式な契約関係を結ばなかった。その事を逆手に取り、母親と彼が共謀して無料での大学合格を画策した。その詳細な活動内容が彼の口から説明され、後輩に自らの力によるAO受験を勧める。しかし、実は女子高校生を指導し、同じ大学に通わせ、より親密な関係を持つというのが魂胆であり、自らの成功例を背景に無料でAO受験合格を果たす方法を指南する。先輩と塾の問題は裁判に発展し、嘘の作られていく過程と、理科教育を基本に置いた日本の名もなき小さな塾の姿を明らかにしつつ、暢気に振る舞う彼を通して、大学受験自体に疑問を感じ始める二人の高校生の姿を描き、受験の意味を問い直す話である。