◇1980年の結成以来、45年間にわたり、北の知られざる史実を紡いできた「北海道ノンフィクション集団」。その7作目となる本書は、太平洋戦争が生涯に大きな影響を与えた北海道人の物語7編を通して、昭和という時代を見つめ直すノンフィクション・アンソロジーです。
◇巻頭を飾るのは、2023年発表の『硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ』(講談社)で第11回山本美香記念国際ジャーナリスト賞受賞し、最新刊『死なないと、帰れない島』(講談社)も話題を呼ぶ、北海道新聞記者の酒井聡平さん。北海道ノンフィクション集団のメンバーでもある酒井さんが、前2作に続く〈硫黄島3部作〉ともいえる作品「硫黄島に雪が降る」を書き下ろしています。
◇そのほか、戦後の国後島でソ連軍の通訳となった日本人女性、B級戦犯として処刑された道産子、飢餓の島メレヨン島の実態、小樽育ちの犯人が起こしたとされる帝銀事件の隠された闇、歴史に埋もれた史実を追い続けたジャーナリストの人生などを通して、北の昭和史を紡ぎます。