はじめに
Ⅰ ロマンティシズムから自然主義へ
田山花袋―「文学」を巡る葛藤
『断流』とその周辺
『重右衛門の最後』―「語り」の空白が生み出すもの
『重右衛門の最後』―葛藤する作品世界
Ⅱ 自然主義文学の時代
『蒲団』再読―横山芳子を中心に
『田舎教師』とその時代
明治三十年代の「女中」像―『家婢』『胡瓜』を中心に
『ある朝』―『蒲団』との比較を通して
『一兵卒の銃殺』―主人公はなぜ死なねばならなかったのか
Ⅲ 大正ロマンと田山花袋
『渦』―不幸な男女の物語
『残る花』―お粂を取り巻くもの
『鈴子の恋』―匿名化する男達
『弓子』―ヒロインの死をめぐって
『曠野の恋』―「新しい女」と「満州」と
印旛沼を巡る物語―『水あほひ』を中心に
Ⅳ 歴史小説のヒロインたち
『通盛の妻』―理想化された男女の愛
闇に消えた「孤舟」の運命―静御前の悲劇を中心に
初出一覧
あとがき
人名索引