約40年の時を経て、北島敬三がかつて撮影したコザ(現・沖縄市)の写真が2022年、現地コザにあるスケートボード室内練習場SKATE CLUB ORIONで開催された個展で発表されました。その展示風景を中心に、1979年の展覧会「写真特急便 東京」の展示風景と1975-79年に撮影されたコザの写真を交えた、過去と現在の時間がモンタージュされた異色の写真集。
当時、コザで北島が経験した撮影行為に付帯する原罪感は、その後の活動に濃い影を落とし続け、2002年沖縄での展覧会に参加するまで、北島は沖縄に足を踏み入れることはありませんでした。かつてのAサインバー「CLUB ORION」がリノベーションされたブリコラージュ仕様の薄暗い室内練習場。室内に掲げられたスクリーンに投影される、往時のコザの写真。二重の時間が刻印された写真には、「写真の帰る場所」をめぐる問いが反響しています。