不確実性の高いVUCAの時代、持続可能な行政運営を堅持するために、自治体財務管理に「しなやかな強さ=財務レジリエンス」が求められる。本書は、平時と災害などの有事との境界を取り払い、常に機能する「フェイズ・フリー」な財務管理体制をいかに構築すべきかを研究課題としている。第一部で基礎自治体(指定都市・中核市・施行時特例市)へのアンケート調査の結果を集計・分析し、財務管理体制の現状を明らかにした。第二部で本調査内容の骨格となる英国『CIPFA 財務管理規範(2019)』の内容と意義、公共経営論と財務管理の関係、「財務レジリエンス」の基礎概念・適応パターン・影響を与える構成要素等の先行研究を明示している。編著者は地方公会計制度、公共経営の理論と実践に深く関わってきた第一人者で、共著者に、自治体職員出身の研究者、公共経営を支援する実務家、実務経験と学術を兼ね備えた公認会計士が加わり、多角的な知見を結集。理論と実務が融合し、公共経営の学徒、自治体関係者にとって必読の一冊である。