彼の内なる熱きグルーヴが溢れ出して、異人都市空間を捉える。衝撃的TOKYO!
(エスケン/帯文より)
「夜の狂騒」と人間への飽くなき「好奇心」。上出のカメラによる「化学反応」の結果がこうなったのだ。
(ハービー・山口/帯文より)
『888 前夜』夜の街とヒトを愛してきた男の 10 年間の眼差し
2020 年クリスマス・イヴ、東京都の一日のコロナウイルス感染者数は888 人。繁華街へ出歩くことも、酒場やダンスフロアでの会話も、全てが「自由」ではなくなってしまった。タイトルの『888 前夜』には、人々が「新たな生活様式」に去勢される前の、皆が 愛した街の喧騒とエネルギーの記録という意味が込められている。
80年代から人気ディスコの専属 DJ として名を馳せ、東京の遊び の中心にいたミュージシャンが、2011 年の震災時、(一時的とは 言え)灯りの消えた夜の街の光景に胸を痛め、遊び場を作る側から、 記録する側の人間となった。
自転車で夜な夜な巡回しつづけたからこそ捉えることのできた奇跡的で珍奇な風景や、DJ として背後から支え続けた上出さんだか らこそ引き出せた踊り子たちの裸の表情。本作に収められた約150点の写真は、約40年間、東京の街とヒトを愛してきた男が、10 年間に渡り街を見守ってきた愛情の眼差しと言える。
山路和広 (Flying Books/ 本作監修)