本書は『コミュニケーションの未来』の実践編として、ビジネス社会で働く際に必要となるさまざまな知識について、演習問題を多く取り入れて応用力を身につけることを目的として作成しました。
また、日本で学ぶ外国人留学生の方にも理解しやすいように全編にふりがなを付け、日本で暮らし仕事をするために必要となるビジネスマナーの他、冠婚葬祭など社会生活上欠かせない知識やコミュニケーションについて、分かりやすく学ぶことができるよう工夫しています。
現代のグローバル社会では、異なる文化的背景を持つ人々が暮らし働くことが普通になっています。世界には多くの人種、言語、文化、宗教、慣習があり、価値観が異なる人々が共生、共同するには相互理解と尊重が重要になります。
世界規模で影響を与えたパンデミック後の社会では、それまで当然とされてきたビジネスのあり方に変化が起こり、コミュニケーションの方法もより複雑化しました。これはビジネスの場面だけではなく、結婚式や葬式などの冠婚葬祭行事にも大きな影響を与え、長い歴史をかけて培われてきた方法に新しい様式が加わりました。
その上に、ますます高度化する電子化や科学技術の発展も加わり、人間の働き方にも速いスピードで大きな変化が起こっています。しかし、全てが簡素化されオンラインで済ませば良いかというと、そうではなく、むしろ人と人とのつながりや儀式や行事の大切さを改めて実感している人も多いのではないでしょうか。
まずは、基本を学び、その上で時代の流れに応じて変化することを取り入れながら、柔軟な理解をしていくことが豊かなコミュニケーションに繋がると考えます。
日本は「おもてなし大国」と呼ばれ、世界の中でもサービスレベルが高い国であるといわれますが、現代はすべての仕事や人間関係にホスピタリティマインドが必要です。価値観の多様化の中で、自身がどのように成長し社会と関わっていくのか、本書が参考になることを願っています。