概論 「けいはんな」の歴史 小路田 泰直
一、大和王権の誕生
国が生まれる場所/「六合の中心」を求めて
二、古代の反乱・仮説──邪馬台国と環日本海世界
邪馬台国論争にことよせて/環日本海世界の実在/武埴安彦と狭穂姫の反乱
三、治水の時代
淀川と木津川治水/継体天皇即位の意義
四、架橋と巨大首都の建設──聖武と行基
首都の建設と水運/架橋と首都北上
五、東大寺二月堂と鎮護国家
二月堂の秘密/白山信仰と水分信仰
六、平安京遷都と首都圏の成立──国家の縮図「けいはんな」の成立
平安京遷都と藤原氏の台頭/国の縮図と神々
七、 戦争と平和──休の苦悩
戦乱の時代/山城国一揆と平和の技法
八、茶の時代
煎茶の発明/世界史における茶の時代
九、「日本の美」の発見と『茶の本』──世界平和のために
岡倉天心の日本文化論/世界平和を求めて
一〇、立憲制下の「けいはんな」
自治から立憲制へ/四民平等とイノベーション
一一、大正デモクラシーから第二次大戦後へ
社会運動の高揚/戦後地方自治の役割
各論
京都盆地の古墳築造動向──交通幹線と古墳築造地点の推移に注目して 大久保 徹也
宮都の輪郭――足利健亮の恭仁京プラン及びその後 内田 忠賢
行基と大仏 斉藤 恵美
平安京と仮名文学の誕生 長田 明日華
色で読み解く平安貴族社会 小菅 真奈
応仁の乱について 田中 希生
自由民権運動の背景──天橋義塾と南山義塾 八ヶ代 美佳
鼎談 『けいはんな風土記』(門脇禎二監修)をめぐって 小路田泰直×内田忠賢×斉藤恵美
門脇監修『けいはんな風土記』についての感想/「けいはんな」の位置/首都圏という考え方/遷都と風水/中央と地方の格差