本書『世界の旅行流通 2024年』は、米PhocusWire Dailyに掲載された約600本の主要ニュースを厳選し、週ごとの流れに編集人の解説を添えてまとめた年次レポートです。生成AIをはじめとするトラベルテックの進化を中心に、旅行業界が大きく変貌した2024年の実態を、分かりやすく整理しています。
現在、旅行業界では、タビマエの検索・予約から、タビナカの目的地での体験(エクスペリエンス)、タビアトのソーシャルな情報共有に至るまでを一貫してつなぐ、コネクテッドトリップの実現をめぐる競争が激化しています。その中核となっているのが、パーソナルな旅行体験の提供です。生成AIを活用したAIアシスタントやエージェントは、一人ひとりの嗜好や関心に合わせた最適な旅程や体験を提案するようになってきました。
この動きをリードしているのは、Booking Holdings、Expedia Group、Airbnb、Trip.com Group、そしてGoogle Travelです。彼らは生成AI、フィンテック、新しい予約・決済の仕組みを駆使して、“完璧な旅(パーフェクトトリップ)”の実現をめざしています。
こうした変化は、2000年ごろのインターネット普及による第1次旅行流通革命に続く、20年ぶりの第2次革命といえるでしょう。トラベルテックの進化は加速度的に進んでおり、世界はすでに次のステージへと動き始めています。
最新情報の継続的収集は、変化の激しい今の時代に欠かせません。世界の動きを的確に捉え、それに応じた具体的なアクションこそが、これからの旅行ビジネスには不可欠となるでしょう。
本書は、激動する旅行流通の本質を見極め、次のアクションを考えるうえで、確かな指針となるはずです。