本書に寄せて――シャーマニズム研究の視点から/朴善姫
序
第一講 サバンナの啓示――アフリカ
introduction ――「目に見えるもの全て完璧」
「勘」と勘違い――モダニストたちの素朴について
仮面儀礼と鍛冶屋の火――文化の両義性について
第二講 亜熱帯の精霊――琉球
地球は女で回っている?――性差と性力について
仮面儀礼とシャーマニズム――秘祭「アカマター神事」の諸相
第三講 高原の思考――中国
神話の詩学――陶酔と「外」の論理
最後のシャーマン――即興的パロールと象徴的恋愛のジェネシス
第四講 砂漠民の遺産――スペイン
「楽園」形態の諸相――芸術家と修行者の「実践知」的世界観
オリエントの化石――都市生態から診る聖地の構造
第五講 飽和地帯のアルス――日本
芸術は野性である――「他者」と「内なる他者」について
「職芸民」と天文――眼力=身体性=暗黙知、あるいは「神人」のイストワール
「巫術師」と人文――移入=官能性=変性意識、あるいは心の「一性」について
第六講 「現代アー卜」の民俗(一)
未決定的かつ超決定的な……――アー卜とシャーマニズムの相似性について
観賞は解釈か、体験か、――有責性と無責性について
温室の植生学――批評=仮想現実=「個」、あるいはシステムと私性の在処
第七講 「現代アー卜」の民俗(二)
〈私美術〉作家たち――内的衝動と絶対的個への超脱
声の向こうのもう一つの声――通過儀礼としてのアートセラピーと私史について
創造の秘密――「愛」と「忘却」と「反経験」の空間
解説に代えて――美術と内なる野性/三頭谷鷹史
あとがき