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ひろちか先生に学ぶこよみの学校Ⅳ

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「ひろちか先生に学ぶ こよみの学校」の第四弾。二〇一九年三月から二〇二一年八月まで、二年あまりのあいだに書いた四九話が載録されていて、期間的にはちょうど令和改元から一年遅れの東京オリンピックにかけての時期に相当する。はからずも「こよみの学校Ⅲ」であつかった紀年法の問題を継承するとともに、古代ギリシャのオリンピック紀元の話題で、紀年法解説を締めくくることになった。
 章立ての構成は次のとおり。
  第1章 わが国の紀年法とこよみ
  第2章 ユニークなカレンダー
  第3章 機関のつくるカレンダー
  第4章 干支、吉凶、暦注
  第5章 祝日、記念日、節目の日
  第6章 異形のこよみ、美形のこよみ
 これまでの三冊とくらべてひとつの特色となっているのは、博物館や美術館が発行するミュージアム・カレンダーや、暦注の十二直を錦絵でしゃれて表現する作品など、アートと関連する暦文化のありようである。アール・ヌーヴォーの旗手の一人であったミュシャの華麗なカレンダーもその陣容に加えた。もうひとつの特徴は、日本文化としてのカレンダーが海外旧植民地や日本人移住地に伝播し、それなりの変容をとげたことに注目したことである。また、その脈絡の延長で、外務省や国際交流基金、国際協力機構が、外国という異文化を相手にどのような文化戦略を立てているかをカレンダーから探ったこともあげられよう。
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