1912年のアメリカで、若きカナダ人の宣教師が、
二宮尊徳の本を英語で出版していた!
人種差別が激しい時代に、尊徳に対して
「農民でありながら真の武士の精神を持っている」
「なみいる東洋の先達をも凌駕する」
「キリストの精神と見事に一致している」
と最大級の賛辞を述べている。
国内では長らく忘れられていた原著からエッセンスを抽出し、読みやすく再構成したものを日本語訳。
評伝作家として定評のある北康利先生が解説を加え、その解説も英訳した初のバイリンガル入門書となる。
巻末には、二宮尊徳を敬愛する四名の識者による推薦の言葉を収録。
本書の推薦者は以下の方々です(書籍掲載順)。
・鈴木靜雄様(株式会社リブラン創業者/いたばし倫理法人会創設者)
・藤尾秀昭様(株式会社致知出版社 代表取締役)
・下村博文様(元文部科学大臣)
・川口直彦様(報徳学園中学校・高等学校 校長)
【以下は編集者による補足情報です】
(1)本書の英文には2つの文体があります。一つはアームストロングが書いた原著の英文です。100年以上前の英文ですので語彙や文法が現代とは異なりますが「あじわい」としてお楽しみくだされば幸いです。一方で、北康利先生が書かれた文章(監修者まえがき・解説・原著者紹介文など)は現代英語に翻訳されています。
(2)本書は、アームストロングの原著から大胆に抜粋し、エッセンスを抽出して再構成したものです。したがって和訳は原著の全訳ではありませんので、ご了承ください。なお、原著の全文を確認したい場合は、インターネットで検索すると読むことが可能です。
(3)アームストロングは日本人クリスチャンの協力のもと、「報徳記」や「二宮翁夜話」の内容を把握しています。宗教学者でもあるため、原著では日本の宗教について丁寧かつ詳細に述べています。アームストロングは、二宮尊徳の生涯と教えを西洋人に伝えるため、心血を注いで本書を完成させています。
(4)本書には収録できませんでしたが、「原著者まえがき(Author's Preface)」の一部を、翻訳者に和訳していただきました。
「二宮尊徳について学んだことを英語にする際、私は文学的な形で表現することよりも、日本人が経済的、道徳的、宗教的な問題を真剣かつ思慮深い方法で解決しようとするこの試みについて、忠実に描写することを目指しました。そして可能な限り、日本人に共通する人間的な側面を引き出そうと努めました。この素晴らしい人々を紹介することで、私が日本で受けた感動が読者に伝わることを願っています。」
(5)本書では二宮尊徳の年齢は満年齢で表記しています。本書の第一部は尊徳の生涯。第二部は尊徳の教え。第三部は原著者アームストロングが尊徳を評価した文章です。いずれもエッセンスを抽出し、バイリンガル入門書として読みやすく構成しています。