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今回のキーワード

自然を守ってくれている植物たちのメッセージに耳を傾け、真摯に受け止めなければ

我らが緑の大地
我らが緑の大地

我らが緑の大地

    荻原 浩

/

KADOKAWA

/

¥2,200
「週刊ポスト」インタビュー掲載(2025年3月21日号)
「産経新聞」吉田大助さん書評(2025年4月6日)
「週刊新潮」 若林踏さん書評(2025年4月10日発売号)
「素敵なあの人」永江朗さん書評(2025年6月号)

植物の「魔の手」から
逃れられるか!?

人類の命運を託されたのは、
ワーママ研究者と、その息子
震撼のパニックサスペンス!

スタートアップ企業・グリーンプラネットに勤める村岡野乃は、植物の「会話(コミュニケーション)」について研究している。コマツナは虫にかじられると毒を合成したり、SOSを出して虫の天敵を呼び寄せたりするなど、植物もほかの生物と同様、驚くべき知性を持っていることがわかってきた。ある日、農場の視察に訪れた企業の社員が、改良された大豆を食べて救急搬送される事件が発生。さらには、原因不明の山火事や、飢えて狂暴化した猿による襲撃、森を走る「謎の野人」の目撃情報など、奇怪な出来事が相次いでいた。野乃は一連の事件を「植物による反乱」ととらえ立ち向かおうとするが……?

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栗山店長コメント

栗山店長コメント


 近年、植物の研究が進み、「植物同士のコミュニケーション」が注目を集めているそうです。彼ら(植物たち)は「会話」を交わしていると言うのです。

 そんなトピックが印象に残っていたこともあり、この物語はリアルな自然界からのメッセージとしか感じられず、まるでニュースを観ているような感覚で読ませてもらいました。
 北海道の自然の中で暮らしている私は、日頃から植物と接する機会も多く、大切に思う気持ちは強いと自負していましたが、でも、この言葉を突きつけられた時には言葉を失いました。

「人間は身勝手な生き物なのだ。動物を去勢したり、鎖につないだりすることは愛情と思い、残酷だとは考えない。動物食を悪と断ずる人も魚は平気で食べたりする。まして、同じ生き物である植物を食べるのになんの罪悪感も覚えない、それが人間だ。地球の支配者気取りで、すべての生き物に愛を注ごうなんておこがましい」

 時として大きな樹木に魂を感じるように、道端に咲く雑草にも思いを馳せ、この地球を、自然を守ってくれている植物たちのメッセージに耳を傾け、真摯に受け止めなければ、人の生活は成り立たなくなる。今、行動しなければ本当に手遅れになる。

 そう警鐘を鳴らすこの作品を、ぜひ読んでみてください。


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先人たちの思いに触れ、自分ごととして想像することが重要

小説版 雪風 YUKIKAZE
小説版 雪風 YUKIKAZE

小説版 雪風 YUKIKAZE

    長谷川 康夫

/

小学館

/

¥671
2025年夏の最注目映画を完全ノベライズ

たった80年前、海は戦場でした――。

真珠湾攻撃による日米開戦以降、ミッドウェイ、ガダルカナル、ソロモン、マリアナといった苛烈な戦場で、海に投げ出された多くの仲間を救い、必ず日本に還ってきた駆逐艦があった。
その名を「雪風」。いつしか海軍ではこの艦を“幸運艦”と呼ぶようになった。
主力として海戦に送り込まれた甲型駆逐艦38隻のうち、ほぼ無傷で終戦を迎えたのは「雪風」のみ。その奇跡のような戦いぶりは、沈着冷静な艦長の卓越した操艦技術と、下士官・兵から信頼される先任伍長の迅速な判断によるものだった。時にぶつかりながらも、互いに信頼し合っていく二人。そして「雪風」は、日米海軍が雌雄を決するレイテ沖海戦へと向かう――。

竹野内豊、玉木宏、奥平大兼、當真あみ、田中麗奈、中井貴一。
豪華キャストが揃い、壮大なスケールで描かれる最大級の感動巨編!
2025年夏の最注目映画を完全ノベライズ!!

「お前は、ただの物知りになりたいのか?」 夏木林太郎は、一介の高校生である。幼い頃に両親が離婚し、さらには母が若くして他界したため、小学校に上がる頃には祖父の家に引き取られた。以後はずっと祖父との二人暮らしだ。祖父は町の片隅で「夏木書店」という小さな古書店を営んでいる。その祖父が突然亡くなった。面識のなかった叔母に引き取られることになり本の整理をしていた林太郎は、書棚の奥で人間の言葉を話すトラネコと出会う。トラネコは、本を守るために林太郎の力を借りたいのだという。 お金の話はやめて、今日読んだ本の話をしよう--。 感涙の大ベストセラー『神様のカルテ』著者が贈る、21世紀版『銀河鉄道の夜』! 【編集担当からのおすすめ情報】 米国、英国をはじめ、世界35カ国以上で翻訳出版されている ロングセラー、待ちに待たれた文庫化! 「おじいさんは、ここですばらしい古書店を開いている。魅力ある書物をひとりでも多くの人に届けるためにな。そうすることで歪んだものが少しずつでも真っ当な姿に戻るのだという信念がある。それがすなわち、おじいさんが選んだ新しいやり方だ。華々しい道のりではないが、おじいさんらしい気概にあふれた選択ではないかね」--本文より

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栗山店長コメント


「一度始めてしまったら、止まらないのが戦争だ」
「ならば生き抜くしかありません」「護らなければならないもののために、我々は生きていかなければなりません」

 太平洋戦争における数々の激戦をほぼ無傷で戦い抜き、そればかりか戦場で海に投げ出された多くの仲間たちを救い、ともに帰還させた奇跡の艦『雪風』。
 「生きて帰る、生きて還す」
 そこには、護るべきもののために己のすべてを捧げ、死に物狂いで生き抜こうとした人たちがいました。

 鮮明に描かれた登場人物の、人としての凄さに圧倒され、涙が止まりませんでした。
 移動中に読み進めてしまったので、この人はどうしてこんなに泣いているのか、周りの人たちには訝しがられたのではないかと思います。

 人類がどんなに知恵を獲得しても、どれだけ科学が進歩しても、戦争だけはなくならない、この現実は本当に残念でなりません。
 私自身を含め、実体験として戦争を知らない世代が大半を占めるようになり、戦争を現実としてイメージすることが難しくなりつつある日本だからこそ、こういった作品を通じて先人たちの思いに触れ、自分ごととして想像することが重要なのだと思います。

 二度と間違いを起こさないためにも。


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すべて自分の思いが引き寄せているのだとポジティブに捉えることができるようになった

新装版 「原因」と「結果」の法則
新装版 「原因」と「結果」の法則

新装版 「原因」と「結果」の法則

    ジェームズ・アレン

/

サンマーク出版

/

¥1,540
聖書の次に読まれている不朽の名著。
良い結果の裏には、必ず良い原因が存在する。

デール・カーネギー、アール・ナイチンゲールら、成功哲学の祖たちが影響を受けたはじまりの一冊『「原因」と「結果」の法則』が、新装版になって登場。
各章にエッセンシャルパートを設けたので、すでにお読みいただいた方も、ぜひ手にとっていただきたい一冊です。

「私たちの人生は、ある確かな法則にしたがって創られています。私たちがどんな策略をもちいようと、その法則を変えることはできません。
『原因と結果の法則』は、目に見える物質の世界においても、目に見えない心の世界においても、つねに絶対であり、ゆらぐことがないのです」(本文より)

シリーズ100万部を超える、自己啓発書の原点となる書。

「武士道といふは、死ぬ事と見付けたり」の一句があまりに有名な「葉隠」。
過激思想の書と誤解されやすいが、その真髄は「死という劇薬」こそが自由や情熱、生きる力を与えるという逆説的な「生の哲学」である――。
「葉隠」の処世訓の精髄を読み解きながら、凝縮された三島の思想に触れられる。時を超えて現代人の心に強く訴え続ける名著。「葉隠」現代語訳付。

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続編『新装版 「原因」と「結果」の法則 2』

栗山店長コメント

栗山店長コメント


 プロ野球の監督を務めていた頃、稲盛和夫さんの「まずは思うこと、カラーで映像になるまで思うこと」という言葉が響きました。
 監督の仕事は悩むこと、と言っても過言ではないほど悩みは尽きることがありません。
 そんな中、安易に答えを導き出そうとするのではなく、寝ても覚めても思い続け、考え抜くことが重要なのだと教えてくれたのが稲盛さんの言葉です。
 心に描いたものが自分の中で映像化され、やがて色鮮やかなカラーで浮かぶようになる。そうなるまで思い続け、考え抜くことこそが重要なのだと。

 そして、稲盛さんのその言葉にもきっかけになった本があると知り、手に取ってみました。 イギリスの作家、ジェームズ・アレンの著書『「原因」と「結果」の法則』(原題:『As a Man Thinketh』)です。
 自己啓発書の原点とされ、聖書の次に読まれているロングセラーの一つと言われています。

 この名著と出会い、すべては自分自身の頭や心の中にあり、「思い」から始まるのだということを確信することができました。
 以来、結果を他人や環境のせいにするのではなく、すべて自分の思いが引き寄せているのだとポジティブに捉えることができるようになったと思います。

 思考の方向性という意味で、ずいぶん助けてもらった一冊です。


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栗山英樹氏と有志による
北海道栗山町の手作り天然芝球場

栗の樹ファーム

栗山店長からのご挨拶

自分の人生で経験できることは限られていますが、私たちは「本」を通じて先人の素晴らしい経験や考え方を学ぶことができます。
また、人としての大切な情緒を熟成するには、動画だけでなく文字から取り入れ、自分の頭で考える時間がどうしても必要だと私は思うのです。
そこで今回、こんな場所を作ってもらいました。
大変な時代だからこそ、自分の助けになる一冊と出会うきっかけになったら嬉しいです。

あの夏のクライフ同盟
あの夏のクライフ同盟

あの夏のクライフ同盟

    増山 実

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幻冬舎

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¥1,980

(本体価格)

14歳のおれたちは自転車を走らせた。
サッカーの“神”に会うという夢を乗せて。
恋愛、友情、夢、大人への憧れと逃避……。
傑作青春小説。

しっかり者だがどこか流されがちなぺぺ、気弱なオカルト好きのツヨシ、運動神経抜群で人気者のサトル、ムードメーカーのエロ番長・ゴロー。北九州に住む中学生4人組は、いつでも一緒のサッカー仲間だ。そんな彼らのもとに歓喜と絶望のニュースがやって来た。大ファンで、雑誌で見かけてはサッカーの「神」と崇めてきたヨハン・クライフ。彼がオランダ代表で出場するW杯が日本初の生中継されるが、九州は放送地域外だという。馬鹿馬鹿しくも時に切ない日々を過ごしながら、4人は“クライフ同盟”の名の下に秘密の計画を進めていく。大型台風が接近する中、放送を見届けることはできるのか?
詳細はこちら

おすすめポイント

最近、”美しいサッカー”という言葉に惹かれヨハン・クライフのことを書いた本を何冊か買ってみたのですが、この作品はいわゆるサッカー論ではなく青春小説。しかも主人公の4人”14歳のおれたち”はなんと私と同世代! 憧れのアイドルはもちろん、中二時代、中2コース、平凡パンチ、GORO、ノストラダムスの大予言、スプーン曲げなど作品に登場する何もかもが懐かしく、他人にとってはどうでもいいものでも自分にはこれ以上大切なものはないと思えた、そんな青春時代を思い出させてくれました。
大人になるまでに誰もが経験する葛藤や苦労、それを抱えているからこそ本当に大切なものを大切だと感じられる純粋な思い、そして元気でいるだけで喜んでくれる家族の存在、読んでいて両親の思いに直に触れた気持ちになりました。
人と人との接点が希薄なこんな時代だからこそ、これだけは大切に! もし自分は一人だと感じる瞬間があるのなら、尚更こんな世界に浸ってください。

栗山英樹書店について

北海道日本ハムファイターズ、野球日本代表「侍ジャパン」を監督として率いた栗山英樹さん。この連載では毎回、その真摯で“実践的”な人生論に根差した書籍たちをご紹介いただきます。

2025-07-29

栗山店長からのご挨拶


自分の人生で経験できることは限られていますが、私たちは「本」を通じて先人の素晴らしい経験や考え方を学ぶことができます。
また、人としての大切な情緒を熟成するには、動画だけでなく文字から取り入れ、自分の頭で考える時間がどうしても必要だと私は思うのです。
そこで今回、こんな場所を作ってもらいました。
大変な時代だからこそ、自分の助けになる一冊と出会うきっかけになったら嬉しいです。


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栗山 英樹

(くりやま ひでき)

1961年東京都生まれ。監督として2016年に北海道日本ハムファイターズを日本一に、2023年には侍ジャパンをWBC世界一に導く。2024年、日本ハム球団の最高責任者であるCBOに就任。『信じ切る力』(講談社)、『監督の財産』(ワニブックス)、『栗山英樹の思考』(ぴあ)など著書多数。

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著書一覧はこちら

羊式型人間模擬機
羊式型人間模擬機

第12回ハヤカワSFコンテスト 大賞受賞作

羊式型人間模擬機

    犬怪 寅日子

/

早川書房

/

¥1,760

(本体価格)

男性が死の間際に「御羊」に変身する一族に仕える「わたくし」はその肉を捌き血族に食べさせることを生業とするアンドロイド。ついに大旦那が御羊になったある日、「わたくし」は儀式の準備を進めるが、一族の者たちは「御羊」に対して複雑な思いを抱いていた
商品詳細

前半 / ジュンク堂書店現役書店員 大賞受賞

後半 / 犬怪寅日子さんインタビュー