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自然を守ってくれている植物たちのメッセージに耳を傾け、真摯に受け止めなければ
栗山店長コメント
栗山店長コメント
近年、植物の研究が進み、「植物同士のコミュニケーション」が注目を集めているそうです。彼ら(植物たち)は「会話」を交わしていると言うのです。
そんなトピックが印象に残っていたこともあり、この物語はリアルな自然界からのメッセージとしか感じられず、まるでニュースを観ているような感覚で読ませてもらいました。
北海道の自然の中で暮らしている私は、日頃から植物と接する機会も多く、大切に思う気持ちは強いと自負していましたが、でも、この言葉を突きつけられた時には言葉を失いました。
「人間は身勝手な生き物なのだ。動物を去勢したり、鎖につないだりすることは愛情と思い、残酷だとは考えない。動物食を悪と断ずる人も魚は平気で食べたりする。まして、同じ生き物である植物を食べるのになんの罪悪感も覚えない、それが人間だ。地球の支配者気取りで、すべての生き物に愛を注ごうなんておこがましい」
時として大きな樹木に魂を感じるように、道端に咲く雑草にも思いを馳せ、この地球を、自然を守ってくれている植物たちのメッセージに耳を傾け、真摯に受け止めなければ、人の生活は成り立たなくなる。今、行動しなければ本当に手遅れになる。
そう警鐘を鳴らすこの作品を、ぜひ読んでみてください。

先人たちの思いに触れ、自分ごととして想像することが重要
栗山店長コメント
「一度始めてしまったら、止まらないのが戦争だ」
「ならば生き抜くしかありません」「護らなければならないもののために、我々は生きていかなければなりません」
太平洋戦争における数々の激戦をほぼ無傷で戦い抜き、そればかりか戦場で海に投げ出された多くの仲間たちを救い、ともに帰還させた奇跡の艦『雪風』。
「生きて帰る、生きて還す」
そこには、護るべきもののために己のすべてを捧げ、死に物狂いで生き抜こうとした人たちがいました。
鮮明に描かれた登場人物の、人としての凄さに圧倒され、涙が止まりませんでした。
移動中に読み進めてしまったので、この人はどうしてこんなに泣いているのか、周りの人たちには訝しがられたのではないかと思います。
人類がどんなに知恵を獲得しても、どれだけ科学が進歩しても、戦争だけはなくならない、この現実は本当に残念でなりません。
私自身を含め、実体験として戦争を知らない世代が大半を占めるようになり、戦争を現実としてイメージすることが難しくなりつつある日本だからこそ、こういった作品を通じて先人たちの思いに触れ、自分ごととして想像することが重要なのだと思います。
二度と間違いを起こさないためにも。

すべて自分の思いが引き寄せているのだとポジティブに捉えることができるようになった
栗山店長コメント
栗山店長コメント
プロ野球の監督を務めていた頃、稲盛和夫さんの「まずは思うこと、カラーで映像になるまで思うこと」という言葉が響きました。
監督の仕事は悩むこと、と言っても過言ではないほど悩みは尽きることがありません。
そんな中、安易に答えを導き出そうとするのではなく、寝ても覚めても思い続け、考え抜くことが重要なのだと教えてくれたのが稲盛さんの言葉です。
心に描いたものが自分の中で映像化され、やがて色鮮やかなカラーで浮かぶようになる。そうなるまで思い続け、考え抜くことこそが重要なのだと。
そして、稲盛さんのその言葉にもきっかけになった本があると知り、手に取ってみました。
イギリスの作家、ジェームズ・アレンの著書『「原因」と「結果」の法則』(原題:『As a Man Thinketh』)です。
自己啓発書の原点とされ、聖書の次に読まれているロングセラーの一つと言われています。
この名著と出会い、すべては自分自身の頭や心の中にあり、「思い」から始まるのだということを確信することができました。
以来、結果を他人や環境のせいにするのではなく、すべて自分の思いが引き寄せているのだとポジティブに捉えることができるようになったと思います。
思考の方向性という意味で、ずいぶん助けてもらった一冊です。

栗山英樹氏と有志による
北海道栗山町の手作り天然芝球場
栗の樹ファーム
栗山店長からのご挨拶
自分の人生で経験できることは限られていますが、私たちは「本」を通じて先人の素晴らしい経験や考え方を学ぶことができます。
また、人としての大切な情緒を熟成するには、動画だけでなく文字から取り入れ、自分の頭で考える時間がどうしても必要だと私は思うのです。
そこで今回、こんな場所を作ってもらいました。
大変な時代だからこそ、自分の助けになる一冊と出会うきっかけになったら嬉しいです。
栗山英樹書店について
北海道日本ハムファイターズ、野球日本代表「侍ジャパン」を監督として率いた栗山英樹さん。この連載では毎回、その真摯で“実践的”な人生論に根差した書籍たちをご紹介いただきます。
2025-07-29
栗山店長からのご挨拶
自分の人生で経験できることは限られていますが、私たちは「本」を通じて先人の素晴らしい経験や考え方を学ぶことができます。
また、人としての大切な情緒を熟成するには、動画だけでなく文字から取り入れ、自分の頭で考える時間がどうしても必要だと私は思うのです。
そこで今回、こんな場所を作ってもらいました。
大変な時代だからこそ、自分の助けになる一冊と出会うきっかけになったら嬉しいです。

前半 / ジュンク堂書店現役書店員 大賞受賞
後半 / 犬怪寅日子さんインタビュー


